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このページはこちらに移転しました 割れた窓 作詞/246スレ129 作曲/( A`)モヲトコ だんだん不透明になる 嫌気がさしてるぼく 抜け出せぬ迷路で望んで立ち止まって泣いていた 遠くの空の下に 輝く世界があって? 触れたら壊れてっただからもう触れない向こう側 優しい眠りをください 誰かに伝えてください あの日 ただ割れた窓をそっとなぞって 滲んだ血に生きた意味を問う どうせ消えてく世界 だからもう だからもう怖くはないよ 深い場所を見つけて ドコまでも ドコまでもさよならしなきゃ ガラス張りの檻の中 一枚割れた窓 きっとぼくはいらない あの向こう側には 手を伸ばす 手を伸ばす 消えていく 消えていく どうせ消えてく世界 痛いから 痛いから泣き叫んでた 終わる場所を見つけた さよならを さよならをここに置いていく ぼくはもう ぼくはもう 音源 割れた窓(246スレ129ver) コード譜
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大砲の弾でのみ破壊できる壁です。 ■関連項目 ギミック一覧 大砲
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登録日:2021/06/13 (日曜日) 14 17 00 更新日:2024/02/25 Sun 11 05 07 所要時間:約 41 分で読めます ▽タグ一覧 Bump Of Chicken まさに外道 アニメ化最大の障壁 ガムテープ クソガキ グラス・チルドレン グラチル サイコキラー ソシオパス テロリスト ネグレクト モンスターチルドレン 一周回って愛すべき外道 世界の歪み 人格破綻者 倫理観ゼロ 児童虐待 全部忍者が悪い 割れた子供達 割戦隊 加害者にして被害者 反社トンネル 同情するが容赦しない 哀しき悪役 哀しき悪役達 地獄への回数券 地獄絵図 大人を信じない子供 少年兵 少年犯罪 幼狂死亡遊戯 忍者と極道 快楽殺人 悪の組織 悪童 愛すべき外道 愛すべき外道達 敵組織 最狂悪童伝ガムテ 未成年 架空の組織 極道 極道技巧 残酷 殺し屋 殺戮 毒家族 毒家族の犠牲者 毒親 毒親の犠牲者 滅ぶべき存在 無敵の人 無軌道 犯罪組織 狂人の見本市 狂犬 破壊の八極道 社会の犠牲者 社会悪 胸糞 自己中 虐待 被害者が加害者になる 負の連鎖 邪悪 邪悪の権化 限りなくアウトに近いアウト 黒い講談社 00年代 急増した未成年による凶悪殺人事件 極道はそこに気付きを得た… 不安定かつ未発達な倫理観 大人を凌駕する成長速度に学習能力── “子供”ほど殺し屋に適した逸材はいないと…!! 子供を畏怖(おそ)れなさい “割れた無垢”ほど鋭い刃は無いのだから 「F(フラッシュ)☆プリンセス!」21話Bパート…正に! 割れた子供達(グラス・チルドレン) 墨極道(メキシカン・マフィア)すら滅(ころ)した無垢の殺し屋共がいま解き放たれる!!! 『殺すよ殺す♪ 割れた子供達(グラス・チルドレン)♪』 『殺せば僕らは幸福(しあわせ)に♪ 殺人(コロシ)が僕らの生きる道!!』 割れた子供達(グラス・チルドレン)とは『忍者と極道』に登場する敵組織である。 ●目次 【概要】 【組織構造】MP(マサクゥルポイント) 【関連用語】 【構成員】三狂(トップスリー) 幹部 一般構成員 戦死者 OB 【結末】 【割れた子供達の世紀末な語録抜粋】 【余談】 【概要】 宿敵である忍者諸共日本を滅ぼさんとする極道陣営第三の刺客。 00年代に多発した未成年の凶悪殺人事件に着目した極道側が組織した、十代以下の子供だけで構築された極道最狂の殺し屋集団。 雇い主は音羽組傘下二代目竹本組裏組長・輝村極道(きわみ)。 実態はメンバー全員が児童虐待等による恵まれない家庭環境や学校環境、身勝手な毒親の干渉といった何らかの外的要因で「心(*1)が決定的に壊される」経験を味わった結果、悲劇の被害者から殺人狂(ころしたがり)へと変貌したモンスターチルドレン達の巣窟である。 劇中ではメンバー全員が例外なく「地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)」、つまり麻薬を服用して活動。麻薬をキメて遠足感覚で極道の事務所や総理官邸を襲撃し、ゲーム感覚で大量殺戮を愉しむ学生・児童のみのテロリスト集団という世も末な光景が見れるのがある意味最大の特徴。 一般人からすれば生きることすら許されない快楽殺人鬼の巣窟となった超凶悪犯罪組織ではあるが、「どうしようもなく道を踏み外してしまった子供達の受け皿」としての側面も抱えている。 コードネームも「自分がなりたかったもの」に因んでいるため、根底にあるのは殺人を娯楽として楽しむこと以上に「自分達の心を壊した世界と幸福を享受する他者への復讐」に近く、傍から見ればただの八つ当たり。 また、「他者により理不尽に心を壊された結果、他人を殺さないと正気で生きられなくなってしまった生物」に成り果ててしまったのが『割れた子供達』という少年少女の実態でもある。 極道(きわみ)の言葉を引用するならば 環境に“応えて”生きる…それが生物だ 他者に殺された心は───他者を殺し否定する…当たり前だ 殺さずには生きられない 真っ当を気取る社会から到底共感され得ぬ彼らもまた “孤独なる者”… ということになる。 エンブレムは顔にガムテープを貼り付けダブルピースサインをする骸骨。 構成員の服装は出身校のものと思われる学生服やジャージが主で、一部は野球などのスポーツのユニフォームや、背面にエンブレムが描かれたパーカーを着用している。 【組織構造】 構成人数は300名。 年齢層は外見だけでも上は高校生から下は小学生低学年と幅広い。 だが忘れてはいけないのが、彼らは全員が真っ当な倫理観や理性などとうに捨てた玄人(プロ)の殺し屋である事。 構成員全員が顔にガムテープをマスクのように貼り付けており、互いを「仇名(コードネーム)」で呼び合いツーマンセルで仕事を遂行する方針。居住部屋もペアで共有する。 数は暴走師団聖華天よりも圧倒的に少ないが、一般構成員を含めた個々の練度は高く、地獄への回数券を服用した状態なら忍者すら手こずらせるほど。遊びを捨てた本気にもなれば数百年を生きた惨蔵ですら「ワシも初体験よ これほどの数の手練のテロル」と毒づくほどの集団戦闘力を発揮する。 特徴は殺人行為が「MP(マサクゥルポイント)」というスコア式になっている点。 そして子供特有の驚異的な集中力・成長速度も合わさり未成年ながら3分で極道の事務所を壊滅させ、2年前にはメキシカンマフィアすら滅ぼした実績を持つ。 無軌道な狂人の集団と思いきや、誰よりも狂気を体現するリーダー・「ガムテ」のカリスマ性への信奉心・依存心にメンバー全員が染まっているため団結力は非常に強固。 とはいえ時代の変化によって構成員の育成方針も変わっているようで、創設期は格闘技等の習得が必須条件になっていたが、本編の時間軸では格闘技術よりも武器術の扱いに重点を置いている様子。 そして誰もが最初から殺人狂としてメンバー入りする訳でもなく、加入当初は誰もが 人の道を踏み外した罪悪感及び踏み外した瞬間のフラッシュバック 罪悪感を上回るほどの他人を殺さなければ収まらない心のグシャグシャした激情 という相反する感情に苛まれ発狂や精神崩壊寸前の精神状態に置かれるという。 その崩壊寸前の心のケアを成立させるのがガムテの狂気であり、彼への信奉とカリスマ性の根幹となる。 なおいかに不幸な境遇でも、20歳以上は圏外として扱われ殺害対象となるため仲間入りはできない。 また、20歳を超えた時点で卒業となるのだがグラチルで卒業する者は殆どおらず、 仕事中に忍者に殺される 運良く生き延びたとしても「大人になるまで生きていたくない(*2)」と、その時のグラスチルドレンNo1と一騎打ちして殺して貰う などといった要因で悉く死ぬ。 ちなみに極道(きわみ)は自分を殺せる者がいなかったので普通に卒業した。 MP(マサクゥルポイント) 『割れた子供達』内で実装されているポイントシステム。 個人の戦闘能力や護衛の数と質を考慮した『殺しにくさ』の数値。 価格は1P約1000円。 子供:10P 大人:100P 極道:500P 極道の本部長クラス:3000P 忍者:100万P が与えられている。 殺し難い強者や要人であるほどポイントが高く、10万ポイントを超えるような標的は超要人(アルティメットレア)扱い。逆にMPの低めな極道事務所の襲撃などは駄作(クソゲー)として扱われる。 それ故にメンバー全員がお小遣い稼ぎやソシャゲのガチャを回す感覚で楽しく拷問や殺戮を実行する。 方向性は違うが大体やってることはグロンギ族のゲゲルと同じ。 また単純な標的の値段の指標のみならず、スカウターのように戦闘力の指針としても使われる。 【関連用語】 億ション 割れた子供達の本拠地。都内中央区隅田川沿いに多数乱立する高級マンションの内の1つを使用している。 マンションの上半分が丸ごと割れた子供達のフロアになっており、中にはパーティルームや体育館及びトレーニングジム、プール、大浴場、図書館、ゲーセン、人間の解体処理場、死体用のゴミ捨て場、ヘリポートが設置されている悪童の楽園。 ガムテ以外のメンバーはそこに住んでおり、普段は礼儀正しく行儀のいい子供を装っている。 極道が所有する物件だがそうとは気付かず住んでる一般住民も沢山存在しており、一般住民と会ったらきちんとお行儀よく挨拶していることもあって「あらまあ…よく出来たお子さんだこと…」と一般人のマダム達からも好評らしい。 時々一般住民を攫って行方不明にしているらしいが、証拠は残さないため表沙汰にはならない。 殺人具(エモノ) メンバーが使用する凶器の通称。 基本は大柄のナイフだが個人の趣向や拘りによって異なる場合もある。 劇中で出たのは幹部以外だと大型ハンマー、徒手空拳、ゴルフグラブ、拳銃。 ナイフも柄をラインストーンでデコっている者がいるなどやはり個性が表れている。 【構成員】 基本構成員は行方不明扱いで捜索願が出ていたり指名手配されていたりするため学校に入っていない。 ガムテと生前の大臣だけは警察にバレてないので普通に学生生活を送っている。 三狂(トップスリー) 『割れた子供達』の最高幹部に位置する最強の3人組。 ガムテ/輝村(きむら) 照(てら) だからみんな 愉悦(たの)しい死亡遊戯(ゲーム)を始めよう!!! 『破壊の八極道』のメンバーの1人であり『割れた子供達』を率いるリーダー。 メンバーから絶大な信頼と好意を向けられ、心壊れた子供達にとっての英雄的存在。 加入したての発狂寸前になった子供達のメンタルケアも担当している。 詳しくは個別項目を参照。 + 「もう一つの未来」では ごく普通の学校を卒業し、ごく普通のサラリーマンとなっていたが、大臣と共に部長(*3)からは可愛がられているようで、重要なプロジェクトのメンバーに任されていた。 「そのせいで俺達残業続きだ」と愚痴ってはいたが。 どうやら母からの虐待は受けなかったようで、彼女も亡くなるまで女手一つでしっかりと彼を育て上げたようである。 そして結婚しており、母が遺してくれた一軒家に帰宅した彼を待っていたのは…。 舞踏鳥(プリマ)/偉藤(いとう) 幽華(ゆか) 精一杯殺(や)るわ ガムテ 「三狂(トップスリー)」の紅一点。 ガムテが「最強の右腕」と呼んで信頼を置き、組織の纏め役も務める事実上のNo.2。MPは530万1800。 バレエを応用した技を使うクールビューティー。 詳細は個別項目を参照。 + 「もう一つの未来」では バレリーナの夢は叶えたが、プリマではなく脇役のコールド。 だが、公演のために半年日本を離れるぐらい大きな劇団に所属している模様。 そして、「夫」の家に久々に帰宅して彼の大好物であるカレーを作り、笑顔で出迎えた。 黄金球(バロンドール) てめーら…“人生終了(ホイッスル)”の時間だぜ! 「三狂(トップスリー)」の一角であり組織のNo.3。本名不明。MPは251万9000。 外見は焼けた肌を持ちジャージを着込んだ大柄の少年。耳にヘッドホンのような耳当てを付けている。 舞踏鳥や天使から「脳筋」や「恋愛脳(スイーツ)」と揶揄されるほどにいい加減で女好きなチャラい性格。ただし愚鈍ではなく、怒りを爆発させ激情に刈られても尚冷徹に敵を評価して確実に殺せる手段を瞬時に考えるなど、最高幹部に相応しい柔軟さと機転を持つ。 いい加減な性格ながらガムテのことは慕っており、ガムテの狂気に救いを見出し安心感を抱くなど他の仲間同様歪んだ依存を寄せる。 忠誠心も本物であり、ガムテから手を出さないよう忠告されていた忍者(しのは)と極道(きわみ)の姿を見ても「友達であるガムテの力になって喜ばせたい」という純粋な友情から2人を躊躇いなく殺そうとした。 麻薬で強化された能力は脚力と制球力。 おまけに膂力だけなら『破壊の八極道』夢澤にすら匹敵する剛の者(タフガイ)であり、メンバーの中でもダントツのトップに位置する。 殺人具(エモノ)はサッカーボール型の鋼鉄球。これはガムテからのプレゼントだったようで、鋼鉄球を「トモダチ」と称して大事にしている。 名前の由来は世界一のサッカー選手に与えられる「バロンドール(*4)賞」から。 ※極道技巧 蹴球地獄変(ビバ・ラ・ファンタジスタ) サッカーボール型の鋼鉄球を超絶脚力で蹴り飛ばし、コンクリートの壁を綺麗に丸く削り掘るほどの威力と速度、回転を発生。 壁や地面を掘り進み上下前後左右から生き物の如く襲い掛かる変幻自在の魔球で標的を殺害する。 初期原案だとボールを壁に自在に跳ね返らせる技だったが「殺島と被る」という理由で今の技に変更になった。 元々は水商売で働くシングルマザーに育てられた南米系の血を引くハーフの子供。 自分の子供も含めた幸せな他人を醜く妬んで悪意をぶつけてばかりの母親を嫌悪して母を反面教師とし、母から聞かされた「アンタの親父はすごいサッカー選手だったんだ」という思い出話を心の支えに逞しく健全に青春を謳歌していた。 そして当時からナンパを繰り返しては玉砕していた 結果14歳ながらプロからスカウトされるほどの目覚ましいサッカーの才能を開花させるも、自分の子供が成功することを妬んだ母親が将来的な自分へのメリットすら顧みずに親の権限を振り翳してプロへのオファーを黄金球に無断で拒否。 親の短絡的な醜い嫉妬で夢を理不尽に断たれ、自分の父親が実はサッカー選手でも何でもないクラブでナンパしたチンピラ外国人だった(*5)ことを嘲笑とともに暴露されたことで遂に心が割れ、憎悪の蹴りで首をへし折ることで衝動的に殺害。 その後は他の仲間同様一気に奈落の底に転がり落ち『割れた子供達』のメンバーになってしまった。 その後は幸せを謳歌する人間に対する憎悪と殺し屋になってしまったことへの罪悪感に苛まれ苦しんでいたが、狂人を装って(?)寄り添ってくれたガムテに救いを見出して心酔。組織のNo.3まで上り詰めた。 総理官邸テロでは忍者(しのは)と極道(きわみ)の2人と交戦。 お互い正体がバレる訳にはいかない2人とは対照的に持ち前の剛脚を駆使した極道技巧で追い詰め、極道(きわみ)を庇おうとした忍者(しのは)に大ダメージを負わせることに成功する。 だが、土壇場で凶器である鋼鉄球(トモダチ)を極道(きわみ)に破壊され激昂。 それでも冷静さを取り戻し確実に2人を蹴りで殺そうとしたが、極道(きわみ)の披露した狂弾舞踏会を駆使した援護で警戒と視界を奪われた隙を狙われ、忍者(しのは)と『地獄への回数券』を刹那発動させた極道(きわみ)の同時攻撃によって斬首され敗北を喫した。 最後の悪足掻きとして斬首されてもなお気合と根性で残った身体を動かして忍者(しのは)に渾身の蹴りを加えるも大ダメージを与えただけで殺害には至らず失敗。 (なあ…ガムテ笑ってくれよ ほら───) (そう…そのほうが 恋慕(キュン)だぜ) (恋慕(キュン)だぜガムテ…!!) 最後は舞踏鳥(プリマ)への真面目かつ純粋な想いや、自分を救ってくれたガムテへの愛情と友情に想いを馳せながら、忍者(しのは)にできる限り手傷を負わせたことで満足気な笑顔を浮かべて事切れた。 + 「もう一つの未来」では プロサッカー選手の夢を叶え、将来を嘱望されていたが、怪我をして以来成績が伸び悩み、日本代表からも外され、ブラジルの三部リーグのチームに移籍する事になった。 が、本人は「親父が見てくれてるかもしれないから」と至って前向きに頑張ることをインタビューで公言している。 幹部 司令(オーダー)/ヒデユキ 官邸内に狂騒がよく響く(・・・・・)…よく視える(・・・・・) 照準(エイム)だ攻手(アタッカー) 車椅子で移動する四肢のない眼鏡をかけた小柄な少年。MPは攻手と同じ105万8788。 抑揚の少ないクールな性格だが、相棒の攻手とはほぼ共依存に近い信頼関係を築いて常に一緒にいる。 麻薬で強化された能力は聴力だが、生まれつき優れた聴力を持っている。 仕事の際は攻手の背中にガムテープでぐるぐる巻きに固縛された状態で彼の目の代わりとなって指示を下す。 ※極道技巧 箱庭覗聴(ブラックボックスプロビデンス) 強化された聴力で周囲のあらゆる音を聴き取り、音で建造物の内部状況を人の数や動きに至るまで細かく知覚する極道技巧。 首相官邸程度の広さならまるで透視して映像を見ているかの如く、地下の内部構造を含めた事細かな状況を把握してしまう。 下記の通り攻手ことタカヒロとは親友関係のゲーム友達。 タカヒロと同じくFPSメインのプロゲーマー志望だったが、自分の願望を拒絶されると取り乱して自殺未遂する母親に苛まれ鬱屈した生活を送っていた。 そしてタカヒロ同様親への嫌悪とプロゲーマーへの道が拓いたことが契機となり、タカヒロと共に自転車で東京を目指したが、交通事故に巻き込まれて四肢を失い夢が閉ざされ、タカヒロと同様に絶望してしまう。 その後はタカヒロの目となる形で互いの両親を殺害。2人で途方に暮れていたところをガムテにスカウトされた。 劇中では神賽惨蔵と対決。 当初は首相官邸そのものを盾代わりに屋上から一方的に攻撃することで一時は惨蔵を追い詰めたが、神槍の砲撃により生じた直径30cmの弾孔に潜り込まれて接近を許したことで攻手諸共成すすべなく敗北。 当初は自分達を殺した惨蔵に対して憎悪を向けるも、惨蔵の気配りで自身の生首を攻手の生首の眼前まで蹴飛ばされたことで攻手と再会。 お互いの位置を伝え合い再び離れ離れにならなかったことに喜びの涙を流しながら事切れた。 + 「もう一つの未来」では タカヒロと共にプロゲーマーの夢を叶えたが、最近では成績が伸び悩み、連敗が続いている模様。 それでも諦めずに二人で頑張り抜く事を誓い合っている。 攻手(アタッカー)/タカヒロ 次の位置言え司令(オーダー)ッッ!! ふたりだけの暗号でッッ!!この拳で寸分違わずブチ込むぜ!! 視力が無く、両目をガムテープで塞いだ屈強な巨漢。MPは105万8788。 忍者に殺された仲間の仇討ちを望む仲間想いの性格。 司令同様お互いに共依存状態にあり、司令の命令に対して盲信にも似た絶対の信頼を置く。 麻薬で強化された能力は腕力。 見かけや能力とは裏腹に役職は狙撃手を担当しており、「神槍(グングニル)」と名付けられたAPFSDS(*6)を殺人具(エモノ)としている。 威力は戦車の装甲すら余裕で貫通するため直撃さえすれば忍者すら殺せる代物。 だが攻手には視力がないので戦闘時には司令を背負い、司令が独自の暗号で狙撃の座標を示すことで補い正確無比の砲撃を行っている。 ※極道技巧 剛拳巨砲主義 神槍(グングニル)を撃鉄代わりの正拳突きで撃ち出し遠距離の標的を狙い撃つ極道技巧。 神槍の威力もあって首相官邸屋上から地下1階までを一方的にブチ抜きながら標的を攻撃するトンデモ狙撃が可能となっている。 地形の影響で弾道が命中寸前まで見えず惨蔵ですら正攻法では完全な回避が不可能であったりと、惨蔵以外では攻略が困難な脅威の狙撃手であった。 元々は司令ことヒデユキと親友関係にありFPSをメインとしたプロゲーマー志望だったが、「息子を空手の世界王者にすること」を妄信する親から少しでも反抗した途端暴力を振るわれる歪な家庭環境で生まれ育つ。 そんな毒親の身勝手な願望に嫌気が差し、企業からのオファーを受けプロゲーマーへの道が拓いたことを契機として親の暴力を振り切ってヒデユキと共に東京でのゲーム大会参加のため自転車で深夜を疾走するが、不運にも交通事故で失明。 夢が破壊されて深く絶望すると共に心が壊れてしまい、ヒデユキと共に自分達の親を殺害し2人で途方に暮れていたところをガムテにスカウトされた。 最後は司令諸共惨蔵に斬首される。 司令の肉体を感じられなくなったことでどこに行ったのか追えなくなり狂乱するも、惨蔵の気配りで斬首された司令の首を自身の首の眼前に蹴り飛ばされたことでお互いの居場所を把握。 もう2度と離れ離れにならないことへの安堵の涙を流して絶命した。 + 「もう一つの未来」では ヒデユキと共にプロゲーマーとなったが、連敗続きで契約解除の危機に瀕している。 だが、二人の表情は晴れやかだった。 固定ファンもそこそこ付いている模様。 毒(ブス) 援護(サポート)してやっからよォォ~~ッ 畏怖(ビビ)んなボケェ!! 本名不明。MPは118万3900。 顔をガスマスクで覆ったボーイッシュな少女。顔自体は端正だが顔の左半分が醜く爛れている。 一人称は「オレ」。 ダウナー気味だが勝気で男勝りな性格で天使とバディを組んでいる粗暴な毒舌家。 お互い毒舌や軽口を叩いて罵っているが、仕事の際には阿吽の呼吸の連携を見せるなどチームワークは非常に高い。 プライベートでは天使が入浴している間の見張り役もしており、天使の風呂を覗こうとした者は毒によってブッ殺される。 名前の由来は「何もかもグチャグチャにブッ殺す毒になりたい」。 酸の扱いを極めており、殺人具(エモノ)である背中に背負った放水銃から超強力な酸の溶解液(本人曰く「超酸」)を噴射して標的をドロドロに溶かす殺害方法を扱う。 麻薬で強化された能力は不明だが、純粋な放水銃の扱いの技量強化が恩恵である可能性が高い。 ※極道技巧 彷徨える厄(ヤク)い弾丸 放水銃から噴射した酸で放たれた弾丸を溶かして空気抵抗を変化させ意のままに空中で弾道を曲げる極道技巧。 天使とのタッグを前提とした極道技巧であり、この技で天使の機関銃の弾道を補正し生き物の様に空中で操ってサポートする。 なおやってることは殺島の「狂弾舞踏会(ピストルディスコ)」と似通っているが、殺島の場合単独で使用している辺りに殺島の練度の高さが窺える。 元ネタは恐らく『B z』の楽曲「さまよえる蒼い弾丸」。 元々は普通に美少女だったが、その可愛らしい容姿から父親に実の子じゃないと疑われた挙句「自分と同じ不細工な顔にしたい」という身勝手な嫉妬と悪意により顔に硫酸を掛けられた結果今の容姿に転落。 以後周囲から化け物扱いされて奇異の目で見られるようになり、14歳の時自身を化け物として遊び半分で殺しに来た悪ガキ数人を返り討ちにして惨殺。 以後は警察から逃げつつ人生観が歪むほどの悲惨な生活を送る中でガムテに天使と同時期に拾われると、即日で天使とバディを組まされ共同生活を送るよう命令をウケた経緯を持つ。 劇中では天使と共に邪樹右龍と激突。 右龍の異能を一方的に完封して追い詰めていったが、左虎との合流を許してしまったことで形勢が逆転。 天使のサポートで「氷帝雷公来駕」の攻撃から難を逃れる。天使の死に激怒し、敵を討とうとするが放水銃の銃口に氷塊を詰められていたことに気づかず得意の超酸攻撃を封殺されたことが致命となって斬首される。 しかし皮肉にも斬首されて死んだことが天使と同じく自分達の本当の望みであった「自分の顔がなくなればいい」という願いの実現に至り、喜びの涙を流して事切れた。 初期原案ではシンプルに不細工な顔で肥満体型の眼鏡女子だったが試行錯誤の末に今の形に落ち着いた模様。 + 「もう一つの未来」では 顔が爛れることはなく顔立ちは美人だが初期案のぽっちゃり体型に。 ドーナツが大好き。 天使とは同僚でケンカ友達みたいな間柄だったが、痴話喧嘩の最中に「他人の気がしないから」との理由から駅前でプロポーズされる。 「バカ」「ムードがない」と愚痴りつつも涙ながらに承諾した。 ……ちなみに、高度な整形治療が必要な顔の爛れとは違って肥満は『努力すれば自分自身の力で美人に帰り咲く事が出来る』のである。 どうかこの世界線では幸せに。 天使(アンジュ) 貴女(アナタ)の方が沢山殺(や)っててず〜る〜い〜! アレは可愛い私が可愛く殺(や)るのぉ! 本名不明。MPは118万6500。 セーラー服を着た明るく可愛らしい男の娘。 かわい子ぶっているが性別関連の話題を揶揄されると怒り出し、この手の性格のお約束で口調も荒くなる。 毒とバディを組んでいるが彼女のことを「ドブス」と呼んでお互いに毒舌や軽口を言い合う仲。 綺麗好きなのか、1日に3回も風呂に入っている。 名前の由来は「みんなを天国に殺(おく)る天使になりたい」。 麻薬で強化された能力は危機察知力。 アサルトライフルを殺人具(エモノ)としているがそこまで命中精度が上手くないため、基本人間を撃ちすぎて原型を留めない挽肉に変えてしまう。 強敵との戦闘では毒が銃撃の補助を担い、自身が回避の指示を出す形で戦う。 何気にこの漫画では初めて死体をモザイク処理にさせてしまった敵でもある。 ※極道技巧 妖精通信(ムシノシラセ) 強化された危機察知力で自身を襲うあらゆる脅威を「悍ましい怪物」というイメージで事前に知覚。 イメージを通じて攻撃を先読みして回避したり敵の強さを測る極道技巧。 最早未来予知レベルの精度であり、直感的に知覚できるため例え死角外からの脅威であっても感知できる。 元々はその美しい容姿から母親に「みんなを幸せにする天使になってほしい」と褒められ、祝福を両親から受けていたが、ある時自身に欲情した父親に言い包められて長年性的虐待を受けるようになり、それが14歳の時に発覚。 「息子に夫を寝取られた」と発狂した母親に父親が殺され、自身も諸共殺されかけたのを返り討ちにしたことで転落。なお死の間際の母親から「悪魔」と怨嗟と共に吐き捨てられている。 以後は警察から逃げつつ人生観が歪むほどの悲惨な生活を送る中でガムテに毒と同時期に拾われると、即日で毒とバディを組まされ共同生活を送るよう命令された経緯を持つ。 何度も風呂に入るのは、そういった過去の傷のトラウマからであると思われる。 劇中では毒と共に右龍の異能を一方的に完封して追い詰めていったが、左虎との合流を許してしまったことで形勢が逆転。 兄弟の連係攻撃「氷帝雷公来駕」の一撃から毒を庇う形で全身を雷撃で焼き尽くされ、そのまま斬首されると笑顔のまま事切れた。 作者によるとモチーフはセーラー服と機関銃。 + 「もう一つの未来」では 顔立ちはそのままに、ラガーメンのようなムキムキのマッチョマンになっていた。 毒とは同僚かつケンカ友達だが、淡い思いを抱いていたようで、ケンカの最中に電撃プロポーズ。 「うるせー!!!結婚しよう!!!」 本人的にはもっとムードたっぷりにプロポーズしたかったとの事で、少々グダグダになってしまったがサプライズは無事成功。 ガムテや大臣やステーションバー男も含めてその場にいた人々に祝福された。 ステーションバー男「まるで生の映画を見てるみたいだよ…」 一般構成員 美容師(ビュティシャン) い~じゃん☆ 総理GETォォ!! 本名不明。 首相官邸襲撃の際に数人の仲間と他学校の学生の顔の皮を剥いで作ったマスクで偽装して潜入。 奇襲を仕掛けると独断で総理大臣・愛多間七を殺害しようとし、総理を庇った内閣官房長官・聖川蘆花をナイフで殺害する。 その後ゲームを実行しようとしたところを哀しみに暮れる忍者(しのは)を一般人と勘違いして『割れた子供達』のメンバー達と共に襲ったところを纏めて一網打尽に斬首された。 + 「もう一つの未来」では 美容師免許を持っているが店は持ってないようで、美容師の求人雑誌を読んでいた。 崇拝偶像(アイドル) はにゃ~~~~♡ みんな殺ってるぅ~~~? 本名不明。 実際は神賽惨蔵の擬態した顔の1つで、そのまま『割れた子供達』のメンバーを油断させ情報を聞き出すための餌に使われた。 本物は劇中では描写されないまま殺害され顔を奪われた様子。 + 「もう一つの未来」では 地下アイドルで頑張っているようで、バイトしてるカフェのビラ配りをしていた。 偉大(グレート) 子供(ガキ)ひとりふたり殺しただけで逮捕(つかま)るどこかのマヌケとは次元が違えッッ!! 少年犯罪史に名を遺すレベルの偉大なプロの殺し屋なんだぜ!! 本名不明。 『割れた子供達』の新人(ルーキー)でMPは2021。2021年最初のやられ役 これまでに20名を趣味で殺し、「死体も処理して残さねぇから警察は全然気付きやしねぇ!!」と豪語。 自分の存在にすら気が付かず、的外れな見解を披露した警察やテレビで当て外れな推理をする専門家を虚仮にしまくっていた。 殺人具(エモノ)はバタフライナイフ。 名前の由来は学校も家も自分の価値に気が付いてくれず尊敬もされない事への鬱屈した身勝手な不満から。 首相官邸で標的が捕まらず愚痴りながら彷徨っていたところを偶然トイレで極道(きわみ)と遭遇。 極道(きわみ)が自分達の雇い主であることすら分からず(*7)只のサラリーマンと誤認し嬉々として襲い掛かろうとするが、極道(きわみ)の話術にすっかり踊らされ時限爆弾の在処を自白させられた挙句相棒の「色男(カサノバ)」諸共あっさり斬首。 極道(きわみ)の正体を知るや否や絶望しきった顔で相棒共々泣き叫びながら絶命した。 「期待の新人」を自称していたが、新人にも関わらず2000越えの高いMPが割り振られていた(*8)事や、ガムテの回想では比較的近しい場所にいる辺り、嘘ではなかったのかもしれない。 他のメンバーが、大なり小なり悲惨な境遇故に「心が割れた」のに対し、劇中で彼だけはそういうのが一切なく趣味で殺人に手を染め、自分の意思で『割れた子供達』入りをした正真正銘のサイコキラーである。 ある意味ではガムテに最も近い存在だったと言え、舞踏鳥や黄金球と肩を並べるのも夢ではなかったかもしれない。 + 「もう一つの未来」では 色男と組んで怪しい飲料水のセールスマンになっていた。 「儲けて偉大になる」との事。 殺人には手を染めていない模様。 色男(カサノバ) えッ…偉大(グレート)!? お…お前なんか…死んでね…!? 本名不明。 上記の偉大の相棒で、見た目は”色男”からは程遠い巨漢のデブ。 殺人具(エモノ)は身の丈の程の大きさの鉄槌(ハンマー)。 偉大が斬首されたことに激怒し極道(きわみ)に襲い掛かるも、ハンマーの一撃をあっさり受け流され、自身も斬首された。 + 「もう一つの未来」では 偉大と組んでセールスマンになっていた。 「金持ちでモテモテになる」との事。 拳闘大帝(バウンドフォーバウンド) 足にきてるぜ忍者ッッ!! 必殺打(フィニッシュブロウ)でKO(くたばり)な!!! 本名不明。MPは10252。 素手の拳を殺人具(エモノ)にしており、伝説の拳闘王(チャンプ)『足立のジョー』に憧れ磨き抜いたボクシング技術で戦う。 「蠅の如く舞い野良犬の如く咬み殺す」と豪語し忍者(しのは)を一瞬とは言え驚愕させるほどのボクシング技術を見せたが、わざと作られた隙に誘われてしまいクロスカウンターの要領であっさり斬首された。 元々はプロボクサーになって後楽園ホールで試合をする事が夢だったが、親が変な宗教にハマったことが転落の原因となったとのこと。 「オレ…どんな大人になれたかな…」と涙し、「自分に訪れることのなかったもしもの未来」を夢見て事切れた。 なお、その『足立のジョー』は『破壊の八極道』の一人“忍殺番長”砕涛華虎の配下である事が示唆されている。 名前の由来はボクシングなどの格闘技において全階級で体重差のハンデがない場合、誰が最強であるかを指す「パウンドフォーパウンド」から。 + 「もう一つの未来」では プロボクサーの夢を叶え、後楽園ホールで世界チャンピオンと対戦中。 圧倒的実力差でボコボコにされているが、諦めずに勇敢に立ち向かっている。 …拳闘大帝よ。ボクサーの君は「カッコいい」大人になれているぞ…! 割戦隊(ワレンジャー) じわじわ楽しく☆ブッ殺そう 僕達5人で“割戦隊(ワレンジャー)”!!! いずれも本名不明。 小学生と思わしき5人組で構成された少年チーム。 ガムテに憧れる熱烈なフォロワーであり、リーダー格の赤(レッド)を筆頭に、青(ブルー)、緑(グリーン)、黄(イエロー)、桃(ピンク)の4人がいる。 外見もガムテに近づけようとしているのか、全員彼とほぼ同じ位置の歯が一部欠けている。 全員が小学生といえども完全に『割れた子供達』の倫理観と価値観に染まりきっており、ゲーム感覚で殺戮や猟奇殺人を繰り返し、ゲラゲラ笑いながら一般人を嬲り殺す外道のクソガキに成り果てている。 右手に持ったコンバットナイフを殺人具(エモノ)としているが、赤のみ(自前のものなのか官邸内で奪った官憲銃(サクラ)かは不明だが)左手で拳銃を発砲する描写がある。 劇中では「ガムテみたいに残酷に獲物を殺したい」という動機で愛多総理やナッシュ大統領といった桜賀第一中学校生徒会メンバーの生き残りを襲撃。 1人1人狩りをするように追い詰め、愛多総理以外の全員を殺害してしまった。 ぶっちゃけ割れた子供達で一番やらかしたのはこいつらだったりする。 とはいえ憧れのガムテほど技術は洗練されておらず、基本大人をバカにして舐め腐っているためか何度も生徒会メンバーの足止めで動きを妨害されており、赤に至っては大統領をなめ過ぎたせいで、渾身のファックサインによる一突きで左目を潰されるという大ダメージを負っている。 その後赤・青・緑は城水(ジョナさん)に重傷を負わせた上で円亥大臣を、黄・桃は亀威先生を狙うが、斗女の忍巧美男衆(テクノビダンズ)により赤以外が斬首。赤も反撃するが機械だと気づいた隙に斬首され敗北。 死の間際、割れた子供達に堕ちる前の正義感と希望に満ちていたあの頃を想起しながら絶命した。 殺そう……!!僕達の知恵と力を合わせてあの不良共を殺すんだ!!生きるために立ち向かおう!! 闘おう!!僕達は── 悪い奴らをやっつける 正義のヒーローだ…!! 元々は半グレをバックにした不良グループに50万円という大金を恐喝されていた貧民層出身の小学生達。 その不良は恐喝を拒否した大人を何人もリンチによって殺害し、家への放火も辞さず、街の警察すら頼りにならない極悪DQNの高校生だった。 そのため、自分達の力だけで未来を切り開き生き残るべく不良高校生の殺害を決意してしまったのが転落の引き金になった模様。そもそも小学生で殺人に至る発想を持ってしまった時点で、倫理観が崩壊していたと言わざるを得ない その境遇などから「桜賀第一中学校生徒会メンバーのIF」と呼ぶべき悪役だった。 + 「もう一つの未来」では 五人揃って警察学校に入学し、上官にシゴかれながらも「正義のヒーロー」の警察官になるべく頑張っている。 どうやらこの未来では、良い警察官と巡り会えたようだ。 ユリリリ 「さあ…次はだァれ?」 「私ら"ユリリリ"に裁断されたい野郎はだァれ?」 いずれも本名不明。 「ユリ」と「リリィ」の2人組から成るJKコンビ。 ユリが黒髪ツインテールで、リリィがウェーブのかかったセミロングヘア。 大型のサバイバルナイフを殺人具(エモノ)としており、単行本解説によると平メンバーの中では一番の手練れだったが、幹部と比べると数段劣る力量だったらしい。 極道技巧も未習得だが、強いて言えば二人でイチャイチャする事が彼女達の極道技巧だったと解説されている。 百合を彷彿とさせる親密な友情関係を築いているが、男の生首でイケメンの有無を判断して愛でる猟奇的な一面を持つ。 機動隊員曰く「ふざけたメスガキ共」。 首相官邸テロの際は門番を担当。テロを阻むべく突入を試みる警察機動隊を殺戮して足止めしていたが、帰国した斗女達と遭遇。 ユリはナイフを落としたリリィをお兄ちゃんズから庇い、致命傷を負ってしまう。斬首される直前に一緒に斗女を倒そうとリリィに自身のナイフを託した。彼女の意志を継いだリリィは斗女に挑むが、完全無敵乙女砲(ラブずっきゅん)を受けて敗北。殺した機動隊員から流れ出たハート型の血だまりの中で、地獄でも一緒だと約束し共に事切れた。 中学2年生の夏に2人が「変態」と毒付く男性教師に2人の関係を知られて弱みを握られてしまい、2人揃って何度も性的暴行を受けていたらしく、その教師を殺害したことが転落の引き金となった様子。 その過去と最期の様子からしても、本当に恋人関係だったようである。 + 「もう一つの未来」では 美人キャバクラ嬢二人組。 だが二人ともいい男がいないと愚痴っており、「それじゃ私たちで結婚しちゃおうか」という流れに…。 勇者&姫 いずれも本名不明。 たまにモブで出番のあった男女コンビ。 太眉が特徴的な少年が勇者で、2mもの長身を誇る文学系風の少女が姫。 2人は親が再婚した時に出会った義理の姉弟だったが、両親に保険金目的で殺されそうになったのを返り討ちにし、割れた子供達に加入した。 姫は素手で人の首を千切れる怪力の持ち主でもある。 共に忍巧美男衆により斬首された。 作者曰く、尺の都合でしっかり描くことはできなかったものの、せめてもの抵抗として絵は多めに描いたとのこと。 + 「もう一つの未来」では 両親からの虐待を二人で乗り越えられたようで、普通の恋人関係となっている模様。 姫は普通の背丈になっている。 戦死者 本拠地に遺影が飾られているメンバーのうち、第三章で病田色と交戦したガムテが見た夢に現れた5人。 大臣と共に現れたり、攻手が喰帝を「先パイ」と呼んでいたりしているため、いずれも古参構成員かつガムテとの付き合いが特に深かったのかもしれない。 大臣(ダイジン) でも僕らは…忍者の外道共に殺された…!! さあガムテ…目覚めて忍者を殺せ 僕らの仇を…僕らの分もたくさん殺せ…!! 本名不明。 『割れた子供達』の幹部で、ガムテの親友でもあった。 本編開始前に忍者と戦い戦死した模様。 コードネームと立ち位置から考えてもガムテの右腕・組織のサブリーダー的存在だったと思われていたが、ガムテの回想ではガムテが加入する以前の割れた子供達のリーダーだった様子。 本拠地の遺影も彼のもののみかなり大きい。 + 「もう一つの未来」では ガムテの同僚。彼と共に重要なプロジェクトを任されている模様。 その溢れる才能で末は博士か大臣か、と言われていたらしい。 だが、彼だけ「本来の未来」の記憶を保持しており… (その為、「大臣って本当は何者なんだ?」とファンからの考察がかなり混乱した。) 自転車王(アルカンシェル) 大名優(アカデミー) 菓子姫様(パティシエール) 喰帝(フードファイター) いずれも本名不明。 ドレッドの少年が自転車王、ドリルツインテールの少女が大名優、茶髪の少女が菓子姫様、眼鏡をかけた少年が喰帝。 大臣(ダイジン)同様に忍者と戦い戦死した模様。 + 「もう一つの未来」では 自転車王はウーバーイーツらしき配達員。 大名優は劇団の脇役女優。 菓子姫様はパティシエ見習い。 喰帝はフライドチキンの食べ歩きをしていた。 OB 輝村極道 『割れた子供達』創設期の頂点に君臨した、『破壊の八極道』の頭目。 現役時代のMPは80万。 【結末】 首相官邸でのテロ及び大量殺戮を実行し暴虐を繰り広げた割れた子供達であったが、最後の忍者・雄鷹斗女の参戦によって形成が逆転。 斗女の操る忍巧美男衆により蔓延っていた構成員は皆殺しにされ、首魁であるガムテも忍者(しのは)によって倒され絶命したことで組織は壊滅した。 ガムテが死の間際に見た夢の狭間で垣間見た「もしもの世界」では、多くの子供達は夢に挑みながらも微妙に成功せず、パッとしない人生を歩んでいた。 だがそれでも笑顔で自分の夢や目標に邁進している姿から、彼らが求めていたのは人生の成功などではなく「心が割れない真っ当な環境で生きる事」だったのだろう。 冴えない人生でありながら、自分が夢見た目標に突き進み笑顔に溢れる前向きな人生を夢見て、割れた子供達は幸せなままあの世へと逝った。 ……とはいえ、あくまで全滅したのは「当代の」割れた子供達である。 極道によって取り立てられて生まれるとはいえ、今も『割れた子供達』になりえる不幸な少年少女は未だ社会の裏に存在し、その子供達が『割れた子供達』になる可能性を秘めている。 割れた子供達の真の撲滅を果たすには、子供達の心を壊してしまうような社会環境の撲滅しかなく、その道のりは生半可なものではないだろう。 割れた子供達によって親友を殺され、阿鼻叫喚の地獄絵図を目の当たりにしても尚、彼らを憎むことなく真正面から彼らを救わんと手を伸ばせた愛多総理には是非とも子供達の救済のため頑張ってほしいところである。 【割れた子供達の世紀末な語録抜粋】 「お前殺すと“お小遣い”貰えんのォ!!」 「大人じゃねーか知るかボケェ!!! 加齢臭(くせえ)んだよ!!!」 「醜悪(キッショ)ッッ!!」 「大量殺人(いっぱいころし)ただけで仲間殺しやがって!!」 幹部(エスレア) 「オレなんていくら殺(ひ)いても若中(ノーマル)ばっか」 極道殺人(ガチャ) 「あれっ その首結構美顔(イケ)てね」「うーん…交際(アリ)寄りの謝罪(ナシ)かなぁ」 了解(りょ) 「撃ち過ぎてもう肉片(おにく)ゥ」「この肉(ヒト)の階級わかるゥ~?」 「お家に帰るまでが殺人(コロシ)です!!」 「みんなぁ〜〜〜☆ 殺すの好きぃ〜〜〜?」『大好き〜〜ッ!!!』 「舞踏鳥(プリマ)踏んで」 超要人(アルティメットレア) 「え〜〜〜コレ全部殺人放題(ヤリホ)!?」「ヤッッベ高揚(アガ)る」 迂闊(ヤベ) 「真実(マ)!!? オイオイオイ記念首撮っとくゥ!?」 殺人(おさわり)厳禁 「え〜もしかして恐怖(ビエン)超えて絶望(パオン)?」 「即刻(とりま)死ね」 「殺そっ殺そっ とにかく殺そっ」 「高価(たか)いぞぉ~~♡」 「じっくり楽しんで殺(や)んねーとな!」 殺人具(エモノ) 噴飯(くさ)/自嘲(くさ) 「撃墜(キル)ったか?」「ああ直撃(ドンピシャ)だ」 驚嘆(やばたん) 「これで…人生終幕(オワコン)…かぁ」 「見事な殺人(おてまえ)」 喜悦(よいちょまる) 「じゃー早殺り勝負でっ!!」「了解(おけぴ)〜」 委託(ヨロ) 「『糞ったれ』?『呪ってやる』?」「お好きな棄台詞(ユイゴン)どーぞ♡」 「獲物だ」「殺(リム)る」「御意(それな)」 殺害(ゴール)一発(パツイチ) 「脳筋(ノーキン)は“脳(アタマ)”より“筋肉(カラダ)”で動く」 悪足掻き(ロスタイム) MP(マサクゥルポイント)の玉手箱 「なんで総理が麻薬(ヤク)キメてンだよォォ〜〜いろいろおかし過ぎんだろ〜〜がァ」 腹(オナカ)の臓物(ナカミ) 「殺人未経験(しょじょ)の私にお兄ちゃん殺(や)らせてくれた」 「上級(えら)いといいな 高価(たか)いといいな」 善様(よき) 賛同(あーね) 情熱(エモ)い 心底承諾(マジそれな) 「ガムテェェ!!助けてくれイケメンに殺される!!」 「私あなた達のファンなのになんで殺すのぉ!?」 「幼稚園の頃…好きだったよ…オレを…お仕置きしにきたのか?」 「ガム…テ……最後に…ひと言…… 有難(あざ)」 【余談】 「心や体に大きな傷を負った少年少女達が、反社の鉄砲玉として薬漬けの殺人鬼にされた挙句大規模なテロを起こし、ポンポン首を撥ねられ何の救いもないままに全滅する」という存在自体がこれまでの極道達の中でも飛び抜けて倫理的にアウトなこともあり、「この漫画がアニメ化できない最大の原因」とも言われる。 一部では「割れた子供達編をアニメ化できる場所は地球上に存在しない」とまで評される。 また作者によれば「メキシカンマフィアを滅ぼすメキシコ遠足編」の構想があるとのこと。 割れた子供達編は話のタイトルがBUMP OF CHICKENやSEKAI NO OWARIの歌のタイトルからとられており、内容も添わせている。 例えば『天体観測』や『ハルジオン』などが使われているが、歌詞をみつつ話を読むとどうしてこんな血なまぐさくなっているのだろうと思うかもしれない。 追記・修正は顔にガムテープを貼りつけてからお願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 割れた子供達は壊滅するも国内のテロリスト集団による首相官邸占拠に加えて、現役アメリカ大統領の死亡や日本政府閣僚の大量死という国内だけでなく国際問題レベルの大規模テロが起こったことは変わらず、そして死んだ八極道達の引き起こした数々の破壊活動により、日本国民の間に終末ムードが漂い始める中、息子を喪っても尚極道(きわみ)による日本の破壊計画は進み続ける… “怪獣医(ドクター・モンスター)”繰田 孔富(くりた あなとみ) 出番だよ 君は…何をブッ壊してくれるんだい この東京 全部 私達“救済なき医師団”が 東京も 忍者も 全部破壊(こわ)して全部救済(すく)うの 世界はみんな 病んでいるから───…… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] この作品の極道全般に言えるけど、「お前たちは哀れだ。だが許せぬ!」を地で行ってる連中だわな。 -- 名無しさん (2021-06-13 14 38 31) ↑1度は改心して真っ当な道を歩めたΩと比べると同情度は低いよな。思うんだけど、「大臣」ってガムテ自身が殺したような気がしてならない…。正気に戻って「もうやめよう」とか言って。 -- 名無しさん (2021-06-13 15 02 23) 極道技巧の威力や性能そのものは大して変わらないのに聖華天と比べて強いし帝都八忍相手でも勝負になってるって感じ。やっぱブランク長い中年集団と現役の殺し屋集団の差は大きかったんやなって。 -- 名無しさん (2021-06-13 16 01 44) 過去明かされてる面子が大体壮絶な過去持ってる中で承認欲求満たされないのが原因で割れた(っぽい)偉大の異質さが目立つな -- 名無しさん (2021-06-13 16 12 53) 語録がマジで世紀末で草 -- 名無しさん (2021-06-13 17 12 54) 流石に忍者相手に小学生は置いてきたかと思ってたらあれだよ。まさか児童首(ジャリクビ)も飛ぶんすかね……。 -- 名無しさん (2021-06-13 19 02 46) 司令と攻手の回で号泣した。というか殺しが日常の極道と違って、殺しは異常なことだから殺す、みたいな子が多いんだよな。 -- 名無しさん (2021-06-13 19 34 40) こいつらの存在自体が本作がアニメ化できない主な理由の一つ -- 名無しさん (2021-06-14 00 50 30) ぶっちゃけこいつらユザワさんより強そうだけど やっぱ組織力とかその他諸々が八極道に入る条件かなぁ -- 名無しさん (2021-06-14 01 09 46) 夢澤さんはこいつらの存在を知らなかった(たとえ知ってても極道養成所ぐらいの感覚で殺人までは手を染めてなかったと思ってた)と信じたい。もしも全部知ってたとしたら、彼の信念がただの上っ面になってしまう。 -- 名無しさん (2021-06-15 13 18 56) ↑「殺しは20になってから」はあくまで竹本組の組内ルールだから他の組織のことでどうこうしたりされたりする謂れは無いでしょ -- 名無しさん (2021-06-15 14 26 45) ↑「割れた子供達」はその竹本組傘下の組織なんだが。とは言っても発足したのはほんの10年前そこそこだし、キワミの私設兵のようなものだし、表組長の夢澤さんが存在を知らなかったとしても不自然では無いとは思う。 -- 名無しさん (2021-06-15 15 27 02) ↑あ、ほんとだ。一応竹本組傘下の組織ってことになってるのか。すいません、こちらの読み込み不足でした -- 名無しさん (2021-06-15 15 39 50) 突拍子もない読み方が多い中ふと大臣のルビがダイジンそのままなのに気づいてツボに入ってしまった。 -- 名無しさん (2021-06-15 15 40 59) 「噴飯」と「自嘲」、真逆的な意味なのに「くさ」とルビをつけてるの本当に好き。 -- 名無しさん (2021-06-15 15 43 57) なんか、主要メンバーの親が壊れた一因も、ガムテが裏で糸引いてるって事ないか?とふと思ってしまった… -- 名無しさん (2021-06-26 22 56 28) 今の地球上でグラスチルドレン編をアニメ化出来る場所はないって評価が好き -- 名無しさん (2021-06-26 23 41 46) 確かにバロンドールですら良心の呵責に耐えかねてたのをギリギリで抑えてた部分もあったわけだからそーゆーのまったくない偉大くんはグラチルの資質があったのかも -- 名無しさん (2021-06-28 02 31 09) さり気にアメリカ大統領暗殺という世界の暗殺史に残る大偉業を成し遂げたクソガキ共 -- 名無しさん (2021-07-09 07 03 47) もしかしたら悲しい過去あるかもしれないけどそれはそれとして偉大くんみたいなパターンかもしれないし早く死んでくれぇ(切実 -- 名無しさん (2021-07-10 01 06 03) 自分たちに寄り添ってくれたガムテ、泣いてくれたガムテ、笑いかけてくれたガムテ…結局それら全てがグラチル達の妄想の産物でしかないのがひたすらに哀れ。 -- 名無しさん (2021-07-11 23 29 48) 確実に脚本家が絡んでいそうだよな -- 名無しさん (2021-07-18 12 06 14) 世紀末で血なまぐさい語録の中に交じるマゾ語録好き -- 名無しさん (2021-07-20 21 35 57) バロンドールの由来が間違ってたので訂正。編集した奴誰だ? -- 名無しさん (2021-07-26 12 52 54) メキシコマフィア潰しに遠足行ったり大半殺されるの覚悟で忍者に挑んだりしてるからどうだろう、虐められた腹いせに虐めしてるクソガキ集団なのは事実だが -- 名無しさん (2021-08-16 17 38 14) ↑それも結局は極道同士の抗争の延長でしかないからなぁ… -- 名無しさん (2021-08-16 18 03 29) メキシカンマフィアを滅ぼすために遠足の行き先をメキシコにしたのか、「せっかくだから遠足ぐらいは殺人(コロシ)無しで行こーぜ」とメキシコへ渡航したら運悪くメキシカンマフィアと抗争(トラブった)んで、半ば正当防衛で皆殺しにしたのか。 -- 名無しさん (2021-09-21 23 27 03) 忍者はあくまで極道から民衆を守る為の組織であって、極道に仕返しして憂さ晴らしするための集団では無いので… -- 名無しさん (2021-09-23 22 32 56) ふざけたメスガキ評価が妥当過ぎるが機動隊の隊長なんかの一般市民もハジけてるの驚嘆ェ -- 名無しさん (2021-09-27 22 06 21) 割れたガラスを繋ぎ止めるガムテープ。決して元に戻せはしない。というのを某所で見て真実情熱(マジエモ)いと思ってしまった。どうやら俺は手遅れのようだ -- 名無しさん (2021-09-30 21 39 54) 「憧れてたヒーロー達にお仕置き(ブッ殺し)される」ってのが一番残酷ながら因果応報な案件。下手に大人が制裁下すより子供には効くよねコレ -- 名無しさん (2021-10-04 23 18 11) 【訃報】割戦隊、割れてない時点で子供として倫理が壊れてたことが判明…。 -- 名無しさん (2021-10-13 00 05 45) ↑そもそも倫理観が壊れざるを得ない状況に追い込んだ高校生&半グレ共が元凶だから…それはそれとして容赦なく殺さねばならんが -- 名無しさん (2021-10-13 06 04 34) あそこの「警察も頼りにならない」って腐敗や怠慢じゃなくて熱心に助けようとした警官が半グレにぶっ殺されたんだろうな…ってなるのがまた悲しい -- 名無しさん (2021-10-16 11 32 11) これでも後天的要因で堕ちざるを得ない状況に追い込まれた上に罪悪感を抱えているだけ、殺人を善行と救済だと思い込んでいる京極一味(あずみ)程は狂っていないんだよなあ… -- 名無しさん (2021-10-23 17 48 18) そう考えると割れた様子もないのにガチシリアルキラーになった偉大ってホント何モンだよって思うよ… -- 名無しさん (2021-10-25 18 12 34) ↑冷静に考えると才能あった方だと思われる舞踏鳥が加入前でMP500だから加入直後にMP2000越えてた偉大はマジで才能あったんだろうなあ。初手で出会った相手が悪過ぎた。 -- 名無しさん (2021-10-25 19 05 28) 叫んでた黄金球見てたのは偉大じゃなくて喰帝では?新人の偉大が黄金球の新人時代にいたとは思えん -- 名無しさん (2021-10-28 00 22 59) 新人とは言え、仕事始めたら極道の下っ端4人と子供2人で達成できるポイントではあるから、直前の事務所襲撃に参加してたんじゃないかな? -- 名無しさん (2021-10-29 11 58 26) ↑×4 多分グラチルが無くても早かれ遅かれ悪道に身を落としてたタイプの奴だと思う -- 名無しさん (2021-11-14 20 19 17) ガムテが見た末期の夢、ガムテ込みで大人になった「割れた子供達」のメンバー全員が"微妙に夢が叶ってない"とか、"まさに夢が潰える寸前"なのよね それでも普通に生きて自分のやりたいことをやり遂げた果てっぽいから誰も心が割れてない 彼らに必要だったのは「正しい挫折による諦め」だったのかもしれないね -- 名無しさん (2022-01-01 17 30 47) タコピー最終回に拍手送ってるのがほんと切ない -- 名無しさん (2022-03-25 16 29 25) 何で他の八極道の記事と違って「ガムテ」じゃなくてこの「割れた子供達」の記事に次章予告が書かれてるんだろう。何かの基準があるんだろうか? -- 名無しさん (2022-05-10 21 52 24) ↑単にその章に活躍した極道勢力に付けてるんじゃね?他2人は八極道個人とその勢力が一纏めになってるからそのまま付けてるだけで。 -- 名無しさん (2022-05-15 16 18 19) きたないブレチル -- 名無しさん (2022-05-18 09 35 15) ↑↑↑暴走族神の次章予告に貼られてるリンクがここに繋がってるからじゃない? -- 名無しさん (2022-05-20 20 11 46) ↑×6 より正確に言うなら、「挑戦の機会」じゃないかな。夢の中のグラチル達はなにかに挑戦し、その上で大勝はできず、あんまりパッとしない結果になっている。でも、それは舞踊鳥の言う通り、精一杯やった結果。挑戦すること自体は出来て、その結果。だからこそ願いが全て叶わなくても、挫折はしなかった。現実のグラチル達の多くはそれこそ司令&攻手が一番わかり易い例だけど、「挑戦する機会自体」を奪われて挫折した。結果、あの時あれがなかったら(きっと自分達は夢に挑戦し、勝利し、素晴らしい未来を手に入れられていたに違いない。それが手に入らなかった今の現実は間違っている、受け入れられない)……っていう妄想で、世の中を憎悪する様になった。 -- 名無しさん (2022-05-21 00 54 52) 胸を張って挑戦したなら、負けた、挑戦に失敗したとしても笑って終わることができる(というか夢の中のグラチルたちの大半は、少なくともその時点じゃまだ終わってはいない)。グラチルはその大半が、負けること”さえ”出来なかった。夢だけでなく、恋愛とかだって、自分から告って振られたらそれでもう諦められるけど、告れないままだったらいつまでもズルズル引きずってしまうし、最悪相手に逆恨みを向けることになる。グラチルはそのエクストリーム版だと思う。 -- 名無しさん (2022-05-21 22 32 59) そこまで難しい話じゃなく、「挫折しても現実に苦しんでも構わないから、『人並みの』人生が送りたかった」って心残りじゃないかな -- 名無しさん (2022-07-04 00 21 18) ↑上のは「必要なものは何だったのか」っていう話ね。人並み=他の人と比べて同じか、普通かどうかというのは少し違うと思うよ。普通普通って自分で言ってるのはガムテだけで、他のグラチル達は全員、自分が夢見た職業自体には就いてるだろ? バレエ団員にサッカー選手、プロゲーマー、プロボクサーと、それがどんなに狭い門戸のものであっても。その上で大成まではできてない、というある意味宙ぶらりんな状態。でもその上で生き生きとはしている。それなら結局、必要なものは、「挑戦の機会」だったのではないかな。と思ったんだが。 -- ↑×2&3 (2022-07-09 12 08 42) ↑そのパっとしないサラリーマン人生になって普通の生き方をする。ってのがガムテの望みだったんじゃなかろうか -- 名無しさん (2022-10-15 21 45 24) 加入当時の舞踏鳥って確かにメンタルの強さみたいなのはあるけど、「自力で」殺しを成し遂げたりしたわけじゃないから、それと比べれば自力で完全犯罪を何件も成した偉大が2000ptってのはおかしくないよな。というか舞踏鳥加入時の500ptもガムテが高く評価しすぎてる気がする -- 名無しさん (2023-05-18 17 51 43) 極道に堕ちず真っ当な環境で研鑽してた場合「プロだけどトップスターではない(どころか下り坂)」な子が多いのがまた何とも… -- 名無しさん (2023-10-07 15 51 36) 上の方で夢澤さんの話が出てたけど、個人的には全て知った上で「だからこそ割れてない子供には殺させない」と思ってたとしたら不思議はないかなと思う。割れた原因は別にあれど、きっかけはだいたいコロシだし -- 名無しさん (2024-01-06 00 39 08) モブとはいえ宗教二世がいたからこりゃ絶対アニメ化無理だな -- 名無しさん (2024-01-19 18 22 40) 名前 コメント
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しきさいとわれたぐらす【登録タグ sea-no し 初音ミク 曲】 作詞:sea-no 作曲:sea-no 編曲:sea-no 唄:初音ミク 曲紹介 広がる花の、言葉は割れる 歌詞 (動画より書き起こし) 藍色消える グラスは滲む 指先なぞる 黒と白 踊る木々 群がってる虫 嘘つき水面 逆さまに落ちる 藍色消える グラスは割れる 戯言なぞる 白と黒 踊る木々 群がってる虫 嘘つき明日 逆さまに消える 巡る色を 冷めない体温に刻んで 揺れる白い 冬の花が広がる街 僕は歩く 壊れないように 「さよなら」 空に手をふった あしおとが どろどろとける 君と夢の中に 藍色消える グラスは滲む 指先がなぞる 黒と白 歪んだ魚 群れに溶ける 嘘つき水面 逆さまに落ちる 広がる花の 言葉は割れる 戯言なぞる 白と黒 四季の中 霞む君の声 嘘つき今日を 逆さまに消える また 眠る コメント 乙です まさに隠れた名曲 -- 名無しさん (2016-08-05 15 18 17) 名前 コメント
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2~3日前から軽いビビリ音がしてましたが その時はちょっと原因不明でそのままにしてました。 で、突然無視できないくらいの音に成長したので、いよいよやばいなとチェックしてみた所・・・ ジェネレーターのプーリーが大変なことになってました! あぶねぇな~~ よく見るM6の穴の内2個が砕けています。 この辺が最初に割れてビビリ音が出ていたのかもしれませんね。 ま、これは寿命かな。 予備の部品にさくっと交換・・・ 予備(R用)を見てみるとちょっと違う所を発見しました。 ちょっと写真の角度が違うけど F・L用 R用 R用は中心に補強が入っていて厚くなってます。 この辺でも年式の差が出てるんですね~~
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最強の格闘技/サーヴァントは何/誰か!? ◆ ぼ く は とうさ ん に すて ら れ た ぼく は じゆうごさい です。 なのに 、 『くく』も でき ません 。 かんじ も ぜんぜん しり ません。 父さん の 期たいに こたえたいと 思つたから ぼくは つらい練しゆうにも たえて きました。 でも、たった一どの負けで、ぼくは全部うしなってしまった。 田島彬に、ぼくは負けてしまった。 練しゅうを、しなくていいと父さんにいわれた。でもぼくは、練しゅうしか知らなかった。 ぼくには友だちがいなかった。弟の徳夫にも、いません。だけど、知っています。ぼくとおなじとしの人は、勉きょうをしながらあそぶものだと。 だから、僕は泣いた。どうしたらいいんだと、なにをすればいいんだと、泣いた。悔しくて、泣いた。 僕には、父さんの期待に応えたいと思ったから鍛え上げた、日拳しかなかったのに。僕の父さんは、それを否定した。僕は、それが許せなかった。 その時、僕の身体の中にあった、ガラスの球が割れた。殆どの人間が、人生を送る上で割れる事のない筈のガラスの球が、割れた。 僕の心の中のガラスの球は、猛毒だった。僕に、酷い喉の渇きを与え、体中の血液を砂にしてしまう、猛毒だった。 ――だから僕は、あの時、小鳥を食べたんだ。 籠の中の鳥を、僕は頭から食いちぎった。初めて食べた小鳥の味は、トマトの味がしたのを、僕は今でも覚えている。 田島彬の血は……ガラスの球の中身が僕のような毒じゃなくて、薬の人間の血は、昔食べた、甘いプチトマトみたいな味の方が、僕はいいな。 ◆ 古い、家だった。好意的な言い方をすれば、古風な武家屋敷風で、時の重みを感じさせる風情ある住まい。 だが、悪い言い方をすれば、長い間手入れをしていない事が一目でわかる、荒れ果てた家。男の住んでいる屋敷について、人が抱くイメージはこの二つに二分されよう。 瓦屋根の隙間に溜まった土埃に、蒲公英の花をはじめとした、雑草が芽吹いているその様子は、貧乏臭さを拭えない。 庭に群生している草花は、丁重に育てられ、愛でられる為に植えられたそれとは違う。ただしぶといだけの緑が、あちらに一叢、こちらに一叢と。 庭中に生い茂っている。その様子はまるで、山間の野辺の一画を切り取って、この邸宅の庭に移して見せたかのようであった。 庭の手入れが行き届いていない事が、素人目にも解る家だった。 それは、事実であった。この家の正当な所有者は、この家に滅多な事では帰って来ない。近隣の住民なら知っている事柄だった。 海外を行き来する仕事であり、日本に帰ってくる事自体が稀であると言うらしい。その家の主の、顔すら見た事がないと言う者も珍しくない。 そして、何の仕事をしている人物なのか、と言う事に至っては、全員が解っていない。頻繁に海外に赴き、年単位でそこに住まう事も珍しくない人物だ。 さぞ名のある商社に勤務する、エリートなのだろうと、思う者の方が此処には多い。これだけ頻繁に国外を飛び出し、慣れぬ異郷の地で生活しているのである。出世コースは、約束されたも同然だろう。 そして、それらの推測が全て、見当外れのものであると言う事を、彼らが知る事はないであろう。 父からこの屋敷を相続した男は、傭兵だった。戦地での要人の警護と言う仕事にも需要があるが、それ以上に需要があり、報酬も高いとされながら、 供給の足らない仕事。つまり、より危険な前線での任務。この家の主は、主としてそんな仕事を好んだ。 そして、未だに身体に欠損は勿論の事、傷一つ負う事無く今日まで生き続け、年齢からは不相応な程の預貯金を蓄財するに至った人物だった。 「母さん、僕に意地悪をするのはやめてくれないか? いたずらにしても、限度があるよ」 そして、その家の主である男が今、この冬木の町に帰って来ていた。 最後にこの冬木を発つ時には見えなかった、女の人物を横に連れて、だ。この男――『佐川睦夫』は、こう言った女性関係とは無縁の男であるのに。 傭兵稼業に身を染めていると言う経歴に、嘘偽りのない人物だった。 着用している半袖のシャツから伸びる二の腕の鍛えられ方は尋常ではなく、岩を削ったかのような圧を見る者に与える。 シャツの下には銅像を連想させるが如き、さぞ鍛え上げられた筋肉が隠されているのであろう。厚手のジーンズの下には、鉄の様な筋肉が搏動しているのだろう。 男の身体自体が、傭兵としてのキャリアを雄弁に語る、ある種の履歴書のようなものだった。 この身体を見れば、様々な戦地に赴いていたと言う事実を、誰もが納得しよう。健康な肉体の、見本のような身体つき。 であるのに、男の顔つきの、何と不気味な事か。あまりにも、人間的な感情と言うものがその男からは感じられなかった。 例えて言うなら、能面である。喜びもなく、怒りもなく。哀しくもなければ楽でもない。本当の意味での無表情のまま、男は、座卓の対面で正座をする女性を咎めていた。 「貴方に悪戯をしたつもりなんてないわ、睦夫。それと、私は貴方のお母さんじゃないのよ」 虐待、と言う負の言葉をイメージせずにはいられない女性だった。 左目が、その女性にはなかった。眼窩がぽっかりと、地の底にまで続く空虚な黒洞となって彼女の顔で主張していた。 それだけではない、女性の左目の回りには、見るも無残な火傷の後が刻まれていた。まるで、熱した火箸でも突っ込まれたかのようだった。 目だけなら、どれ程良かったか。患者が着るような、白い検査衣を身に纏うその女性には、左腕が肩の付け根から丸々なくなっていた。 左脚の太腿より下がなくなっており、そこに木の棒を切断面に突き刺した状態のものを、義足代わりにしていた。 あまりにも、見ていて痛々しい女性だった。せめて、顔の火傷さえなければ、流れる黒色の長髪が美しい、凛々しい美人ではあったろうに。 「馬鹿な。母さん。貴女は僕らの父……佐川雅夫の名前どころか、自分の名前すら覚えていないのか。貴女の名前は佐川……佐川……」 「……? どうしたの、睦夫」 「……母さんの名前が、出てこない。ぼ、僕は……僕も、母さんの名前すら、知らないのか……?」 睦夫は、その瞬間に、両手で顔を覆い、泣きじゃくり始めた。 覆った手と手の間から、液体が滲み出て、垂れ落ち、座卓の上を濡らす。涙であった。 「に、日拳の修行しかしてなかったせいで、母親の名前すらも……」 「別に、私は気にしないわ、睦夫」 「い、良いのかい……? 母さん。僕は……僕は……」 「良いもなにも……私、そもそも貴方のお母さんじゃないし……」 「……」 覆っていた両手を顔から離し、涙で濡れた黒い瞳で、黒髪の女性の方を見つめる睦夫。 感情が、読み取れなかった。眼窩に、ガラス球でもはめ込まれているようだと、女性は思った。 ――母さん……可哀相に。酷い事故にあったんだろうな……自分の名前も、僕の姿も忘れてしまうとは……―― 女性の左目、左腕、そして、ここからは見る事の難しい、彼女の左脚の方に目を向けて、睦夫は考える。 ――どうやら、一時的に記憶を失ってしまったらしい。だけど僕は、女性との付き合い方がわからない……どうしたらいいんだろう―― そこで、睦夫は考え込む。頑なに自分の母親である事を認めない女性が、どうしたら自分を息子だと認めてくれるのか、と言う方法を。 「やはり、父さんに聞かないとダメか……」 「……また、貴方のお父様に会いに行くの?」 「うん」 睦夫が立ち上がる。それを、女性は見上げる形となった。睦夫は、優に一八〇cmにも達さんばかりの偉丈夫だった。 「あれはどう考えても、貴方のお父様じゃないわよ、睦夫」 「母さん。お父様、と言う呼び方は他人行儀だからやめてくれよ」 「貴方のお父さんだって、頑なに否定してるじゃない。あの人は」 「父さんはもういい歳だ。最近はやや呆けている時もあるけど……ちょっと刺激を与えれば、きっと昔みたいに戻るよ。母さん」 そう言って睦夫は、二人が会話していた居間を離れ、屋敷の地下……。 つまり、戦時中の防空壕を直して拵えた地下室へと足を運ぼうとして。その時になって、女性に呼び止められた。 「睦夫」 「どうしたんだい? 母さん」 「貴方、自分がどうしてこの街にいるのか、解っているのよね?」 「……聖杯戦争、だっけ? 変な名前だな~って思うよ」 「睦夫」 「欲しいんだっけ? 聖杯」 顔だけを女性の方に向けていた睦夫が、身体ごと彼女の方に向き直る。感情を宿さぬ光が、彼女を射抜く。それを受けて、コクリと頷いた 「大丈夫!! 僕ももうこんな年なんだ。母さんが望むものの一つや二つぐらい、用意出来なきゃ息子じゃないよ」 「そう。やる気はあるのね、睦夫。良い事よ。それと、私は貴方の母親じゃないわよ」 「頑固だなぁ、母さんは。それじゃ、僕はお父さんに会って来るよ」 そう言って睦夫は、今へと続く障子をピシャリと閉じ、地下へと歩き去っていく。 ギシギシと、床の軋む音を彼女は聞き、それが遠くなるのを待ってから、義足であると言うのに器用に立ち上がり、部屋の隅に移動を始めた。 その一点で彼女は立ち止まり、そこに置いてあったものを具に眺めながら、口を開き始めた。 「……これに気付いてるのか、気付いてないのか……。どちらにしても、狂人、よね」 この国の文化や風俗はよく解らないが、これが、死者を悼む為の文化の一つである事には女性にも解る。 額に入れて飾られている、中年の男性のモノクロ写真。両脇に備えられた、枯れて風化した、嘗てが何の種類だったかも判別出来ない茶けた花。 消費期限が、数年以上も前になっているお供え物。それは、仏壇であった。その仏壇に備えられた位牌には確かに、佐川雅夫。佐川睦夫の父親の名前が記されていた事を、彼女は、見逃さなかった。 ◆ 「父さん、母さんの名前を教えて欲しい」 地下室に現れるなり、睦夫はそう言った。殺風景な部屋だった。最近改修を始めたらしい。 塗られたコンクリートは何処も剥げておらず、陰鬱なイメージこそ人に与えるものの、汚らしいイメージは人に与えない。真新しい印象すら人は抱くだろう。 照明は、天井から垂れ下がる、W数だけ高い裸の電球が一つだけ。家具の類は、部屋の広さに反してたった一つ。 家具店で二万円も出せば買えるような、金属製のベッドが一つ。そこには布団もマットも敷かれていなかった。 ――そして、そこには一人。中肉中背の男が一人、首と両手首を一緒に拘束された状態の男が仰向けに横たわっていた。 「頼む、家に帰し――」 「遂に母さんが見つかったんだ、父さん。父さん、何を思って僕達に母さんが死んだと言っていたのかは知らないけど、きっと父さんの事だ。深い考えがあるんだろう」 そこで一呼吸置く睦夫。 「だけど父さん、僕は日拳だけしか取り柄がなかったから。それしか学んでなかったから、母さんの名前すら解らないんだ。名前で呼んであげたい、母さんの名前を教えてくれないか」 「し、知るかよぉ……!! 速く俺を此処から帰してくれ!!」 ――やはりか……父さんは、僕の事も母さんの事も覚えていないのか……僕には、父さんも、母さんも必要なのに―― 音を立てず、男が拘束されているベッドの下にまで近づく睦夫。今もわめき続ける、拘束された青年の顔面目掛け、右拳を思いっきり振り落とした。 「ガッ!?」 何かを喋っていた所に、口元に拳を受けたせいで、前歯の何本かが圧し折れ、空中を舞う。 そして、舌を思いっきり噛んだらしい。舌の先端が嫌な音を立てて千切れ飛び、パンツ一枚だけになっていた男の上半身に、桜の花弁のように小さい下の先端が落下した。 「何で覚えていない」 そう口にする睦夫の顔つきは、怒りに溢れていた。何らの感情も宿していなかった瞳や顔に、明白な、黒い怒りが燃え上がっていた。 「何故僕も、母さんの事も覚えていない!! 二人とも、父さんの事をあれだけ愛していたのに!!」 怒りに任せて、顔面に拳を叩きつける佐川。傭兵として厳しい鍛錬を積み、日拳の素養すらある佐川の拳は、大の大人を容易に殺せる程の腕力であった。 それで、人を力強く殴り続けるのだ。成人男性とは言え鍛えていない大人が、耐えられる筈がない。 「僕はあれだけ日拳を頑張っていたのに!! 僕を捨てやがって!! 徳夫ばかり可愛がりやがって!! ふざけるな、僕は強いんだ!! 昔よりもずっと、僕を昔倒した田島彬よりもずっと!!」 構わず顔面を殴り続ける睦夫。既に、彼が殴っている男の身体は、グッタリとして、動かなくなっていた。 「僕は強い!! 僕は、強い!! 田島彬よりも、徳夫よりも!! 解ったか、父さん!! 佐川雅夫!!」 それでも構わず、睦夫は男の事を殴り続ける。既に自分が殴っている男の身体が、冷たくなりつつある事に睦夫が気付き始めたのは、それから、十分程経ってからの事だった。 ◆ 私は、偉大なる父が好きだった。あのような父がいて、誇らぬ筈がなかった。好きにならない、筈がなかった。 父の治世の下で、医薬や服装、住居に貨幣、測量、道徳、楽器、文字が生まれ、父の治世の下で、人々は幸せに暮らしていた。 父はまさに、世界の帝王であり、大地の全てを領土とする偉大なる王であった。 だが父には敵がいた。金属と武器と戦の申し子、いや、神か。 鉄や石や砂を食べ、その身体の堅固さに比類はない。この世界における武器の全ての開発者であり、この武器を以って父の治世に乱を与えていた。 そして、奴は、比類ない戦上手だった。百万の部下を手足のように操る手腕も見事だが、真に恐るべきは奴一騎。 奴が戦場に現れれば、神や神獣、龍の類ですら恐れ戦く。一度腕を振えば神鉄を鍛造して作った鎧に纏った兵士が粉々になり、一度呪を唱えれば軍の足並みが崩れる。 『蚩尤』は、まさしく、我々にとって最強最悪の敵だった事を、今でも私は思い出す。 そんな敵を倒したいと言う父の思いを汲んで、私は、仙界から龍と共に下り、蚩尤を迎え撃った。 奴の魔術を封じようと、私も龍も、神として奮える全ての力を振り絞り、父に起死回生の一手を与え――そして、父は勝った。 だが、私はこの戦いで、仙界に戻る術を失った。神としての格を引き換えにせねば、蚩尤を倒せなかったのだ。 地上に晴れを齎す私が長い間地上に留まったせいで、地上には干魃が起った。 父が、哀しい顔で、悲しげな言葉で、私に、北の果ての洞窟に住めと言った。重い足取りで、私は其処に向かった。『鉄格子』の嵌められた洞窟に。 地上が、恋しい。仙界で、皆と楽しく飲み交わしたい。人と、父と、話したい。 地上に 出る。 干魃が 起こる。 その度に 私は、 洞窟に戻されて 神として 認知されなく なる。 暗いの いや だ。 父さま 許 し て。 わ た し は とうさ ま に すて ら れ た ◆ 最強の格闘技/サーヴァントは何/誰か!? 多種ある格闘技/サーヴァントがルール無しで戦った時…… 出来レースではなく策謀暗殺ありの『戦争』で戦った時 最強の格闘技/サーヴァントは何/誰か!? 今現在、最強の格闘技/サーヴァントは決まっていない 【CLASS】アーチャー 【真名】魃 【元ネタ】中国神話 【性別】女性 【身長・体重】162cm、53kg 【属性】中立・悪 【ステータス】筋力:D 耐久:C 敏捷:C 魔力:B 幸運:E 宝具:A++ 【クラス別スキル】 対魔力:A A以下の魔術は全てキャンセル。 事実上、現代の魔術師ではアーチャーに傷をつけられない。 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 【固有スキル】 女神の神核:E 生まれついての女神を表すスキル……であった。 過去の事情から、本来ならEX相当であったこのスキルは、著しくスキルダウンを引き起こし、最低ランクにまで下降されてしまった。 あらゆる精神系の干渉を弾き、肉体の成長もなく、どれだけカロリーを摂取しても体型が変化しない。神性スキルを含む複合スキルでもある。 但し、内包されている複数のスキルについては、発揮可能なスキルランクは低い。 太陽の加護:A+ 太陽によるサポート。 日中、或いは陽光に類する光が見られる場所において、アーチャーは常時、魔力・生命力が回復し続け、全てのステータスがワンランクアップする。 太陽神の類似神格、しかも落魄した神霊とは言え、アーチャーのスキルランクは、破格の高さを誇る。アーチャーはこのスキルだけは、何があっても失う事はなかった。 魔力放出(光熱):A+ 自身の肉体より魔力の光を放出する能力。 放出される光と熱は莫大なエネルギーを秘めており、生半な装備と、程度の低い神秘の礼装を纏った程度では、秒も掛からず焼き尽くされる。 アーチャーの攻撃能力および防御能力はこのスキルによって向上されている。このスキルは程度こそ抑える事は出来るが、完全にオフの状態にする事は出来ない。 【宝具】 『烈日(にちりん、ちじょうへくだる)』 ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:広範囲 最大補足:1000~ アーチャーが有する魔力放出(光熱)スキルの最大解放。この宝具は常時発動型の宝具で、彼女が有する魔力放出スキルはこのスキルの余波。 アーチャーはその身体の内部に小型太陽炉心を内包させており、これを強く、弱く発動させる事で力の度合いをコントロールしている。 この小型太陽炉心を最大出力で解放した場合、天候が真昼の状態に固定される上、50度と言う殺人的な気温にまで上昇。 この宝具の最も恐ろしい点は、持続性。宝具発動中は強制的に昼の状態になると言う事は、当然太陽の加護スキルが発動し続ける為、 宝具維持の為に消費して行く魔力が、常時回復し続けると言う現象が発生する。回復する魔力量より、消費して行く魔力量の方が多いが、 それは本当に誤差程度であり、体感上はマスターもサーヴァントであるアーチャー自身も、全く魔力を消費している、と言う事は感じない。 宝具発動中は、この宝具のランク以上の宝具でなければ、常時真昼の状態を覆す事は出来ず、アーチャーの宝具任意解除か、彼女の消滅以外でこの天候固定が解除される事はない。 【Weapon】 【解説】 魃とは中国の古代神話に伝わる正当な神の一柱。中国古代における三皇五帝時代の伝説的な皇帝にして、天界の王たる黄帝(ファンディ)の娘である。 黄帝の治世はそれはそれは素晴らしい物であり、彼の支配下で様々な文化が発展したが、そんな彼の頭を大層痛めさせていたのが、彼に対する反抗勢力。 特に反抗勢力の頭とも言うべき、牛頭人身の魔神・蚩尤(シュウ)には大層煮え湯を飲まされて来た。 金属と鉄、武器を司る戦神である蚩尤は大層な戦上手であり、幾度となく黄帝と激戦を繰り広げただけでなく、蚩尤個人もまた恐るべき強さを誇り、 武器を振えば一騎当千、魔術を操ればどんな祈祷師でも敵わない程であり、特にこの魔神が操る風と雨の魔術は、黄帝の軍勢を最も苦しめさせた原因だった。 そんな彼の恐ろしい魔術を封じる為に、皇帝は己の娘である魃を頼り、彼女を地上に天下らせた。彼女は天界においては、太陽神であったのだ。 魃は己の太陽神としての権能を全力で振るい、蚩尤と激突するも、それでも勝負は互角だった。しかし、雨風の力が封じられた今が好機と、 天界の様々な女神達の力を借りた黄帝が蚩尤と一騎打ちを行い、激しい死闘の末見事蚩尤を打ち倒した。 しかし、蚩尤との戦いで神としての力を使い過ぎた魃は、何と天界へと帰れなくなってしまう。 しかも力を使い果たしたと言っても、表れるだけで世界はずっと真夏の昼になり続けると言う太陽神としての力は健在の状態である。 当然のこんな存在がずっと一ヶ所に留まっていては、世界はずっと旱魃の状態になる。これが妖怪ならば処刑も出来るが、女神、況してや自分の娘である為、 黄帝は魃を北の果ての洞窟へと幽閉する。魃もそれを受け入れはしたが、時折地上が恋しくなり、脱走し、世界の雨を齎させなくすると言う。 これを古代中国は旱魃の原因と考え、人々は旱魃が起こる度に魃を慰撫する言葉を投げ、彼女を元の洞窟に戻したと言う。 後に彼女は時代が下るにつれ女神としての神格を失い、太陽の力を司る強大な妖怪にまで存在が貶められて行く。 日本においても彼女の名前は、魃(ひでりがみ)と言う名前で伝わっており、鳥山石燕も彼女についての絵を残している。其処での姿は、最早女神と言う面影が欠片もない、哀れで醜い姿になっている。 上記の説明を見れば解る通り、魃自身は完全なる被害者である。 父の頼みを受けて態々神の世界から地上にやって来て、天界に戻れぬ事をも覚悟で父の為に力を奮ったにも拘らず、その結末が地の果ての洞窟に幽閉である。 そんな事であるから、魃の心は完全に荒みきっており、神であった頃には許しはしなかったような、睦夫の酷い行為には全く目を瞑ってやっている。 父親である黄帝の事は表面上は憎むような素振りをしているが、本心では今も深く尊敬しており、いつか自分の事を許してくれるだろうと信じて疑わない。 しかしその為には、自分が神霊としての霊基を獲得せねばならないと考えており、その為に彼女は、自分の霊基を神霊寄りのそれではなく、 『ひでりがみとしての自分』、つまり『妖怪』のそれに近づけさせる事で何とか召喚される基準を満たさせた。聖杯に掛ける願いは、今度こそ神霊として復権し、仙界に舞い戻る事。 【特徴】 伝承においては全身毛むくじゃらで、隻眼・隻腕・隻脚であるとされる怪物だが、正確な姿ではない。 実際には、左目が存在せず、その回りに火傷を負い、左腕がまるまる存在せず、左大腿の半ばから下が木の棒を埋め込んだ簡易義足になっている、 と言う痛々しい姿。昔日の姿は、さぞや美しい女神だったのだろうと言う事が窺える、凛々しい顔つきをした黒髪の女性であり、普段は病院で患者が身に纏うような検査衣ににた服装を身に纏っている。 【聖杯にかける願い】 神としての復権。 【マスター】 佐川睦夫@喧嘩商売、喧嘩稼業 【マスターとしての願い】 不明。ただ少なくとも、田島彬を倒す事ではない 【weapon】 【能力・技能】 日本拳法: 昔空手を習っていたが、寸止めルールに異議を唱えて空手から日本拳法へと転向した、優れた才能緒発揮した佐川雅夫から、日本拳法の英才教育を受けている。 父の教育も相まって、高い実力を秘めているものかと思われるが、途中で日本拳法ではなく、軍隊格闘に転向を始めている。弟である佐川徳夫の方が、遥かに日拳の実力は高い。 軍隊格闘術: 睦夫が新たに学んだ格闘術。上記の日本拳法をベースにした軍隊格闘術が、今の睦夫の格闘技術の骨子になっている。 その実力は、危険極まりない戦場の最前線に幾度も出撃し、その度に生き残っていると言う実績からも証明済み。 また、生き残る為には何でもしなければならなかった為か、武器を扱う手練手管や、身の回りのものを用いて威力の高い武器を作成する事にも長けているフシがある。 【人物背景】 外国の戦場で戦う傭兵。敵の血を啜るという奇行のために傭兵仲間からは「吸血鬼」と呼ばれ不気味がられているが、 一方で睦夫が部隊にいれば必ず生き残れるため、英雄としても扱われている。日本拳法家・佐川雅夫の長男に生まれ、幼い頃から日本拳法を学んでいた。 凡庸な才能ながら父の期待に応えるべく、勉学など生活の全てを犠牲にして必死に稽古に打ち込み続けていたが、中学生の時に出場した進道塾の大会で田島彬に完敗。 それによって父から拳法家としての才能を見限られ、それを父に捨てられたと受け取ってしまったことで精神が破綻。 以後、「体の中のガラス玉が割れて血を砂に変える毒薬が流れ出てしまった」「血を砂に変えないために他人の血を飲み続ける必要がある」、 と思い込むようになり、血液を求めて外国の戦場に身を投じるようになった。 陰陽トーナメントに田島が誘う前の時間軸から参戦 【方針】 母さんの名前を知る
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空は晴れ渡り、太陽が地面を照らす。 時折吹き抜ける風が心地良い。 雪華「うーん・・・絶好の・・・発砲日和・・・」 今まで、雨が続いていた所為か、射撃部の練習も基礎中心のメニューばかり だったので、こんな晴れた日にはドカンと一発派手なのをかましたいと思う雪華綺晶。 しかし、人間というものはチャンスが巡ると、望んでもないのに邪魔が入りやすくなるわけで。 蒼「♪♪♪~~~♪♪♪」 鼻歌を歌いながら、職員室で仕事中の蒼星石。 何かいいことでもあったのだろうか? 翠「蒼星石~?珍しいですね~、何かあったんですか~?」 蒼「えへへ~、これ見てよ~」 と言いつつ、差し出したのはカバン。 パッと見、しっかりした作りの物だが、どこにでもありそうな物である。 翠「は~?只のカバンじゃねえですか~・・・」 普通のカバンのどこに嬉しい要素があるのか、?顔の翠星石。 蒼「これね、生徒からプレゼントされたんだー♪」 でねでね、と続けて裏側を見せてくると、そこには・・・ 蒼「じゃーん!!僕ソックリのマスコットまで付いてるんだ!! こんな心の篭った物をプレゼントされちゃうと、ホント、教師冥利に尽きるよー。」 翠「た、たしかに、そうですが・・・。蒼星石はそのぬいぐるみは付けたままで帰るですか~? 自分ソックリのぬいぐるみを付けたカバンを持ってる奴はちょっといろんな意味で痛いですよ~・・・」 生徒から貰って嬉しいのは分かるが、せめてそのマスコットぐらいは外せと遠回し・・・いや直接言い放つ翠星石。 蒼「な、何言ってるんだい!!生徒からの大事な・・・はぁ、でもやっぱ嬉しいな~、エヘへ。」 激昇しかけた蒼星石に身構えた翠星石だったが、カバンを見るや否や、 にやけっぱなしになる蒼星石を見て呆れ果ててしまう。 翠「はぁ~・・・もう、付き合ってらんねぇです~・・・」 放課後になりグラウンドからは部活動の生徒達の威勢のいい声が木霊する。 蒼「はぁ~、何とか終わった~・・・」 うーんと背伸びをする蒼星石。キリの良い所で仕事を終えて、 自身も担当する部活の元へと急ごうとした。 蒼「あ、そうだ。今度は部活の子達にも見せてあげよーっと・・・」 と、言いつつ自身の机からカバンを取り出し、部室へと向かおうとする。 蒼「さてと、今日の練習はどうしようかなー・・・」 今日の練習メニューをどう組み立てようか、と思案しながら歩く。 だが、いきなりガチャンと何か金属製の物が落ちたような音が聞こえてきた。 驚いて、振り向く蒼星石。 蒼「な、何だ?!」 と、よく見なくても分かるが、雪華綺晶の机にあった銃が地面に激突している。 どこか修理中で、ネジ等を外していたのか、ものの見事にバラバラである。 蒼「あちゃー・・・カバンで引っ掛けちゃったのかなー・・・」 雪華綺晶には悪いことをした、後でキチンと謝らなければ・・・ 礼儀作法にうるさい蒼星石らしい、いや普通の人間なら誰もがこう考える。 そして、そこに妹の薔薇水晶が、何かあったのかと飛んでくる。 薔薇「ど、どうしたの・・・?」 蒼「え?ああ、雪華綺晶先生の銃を落として壊しちゃったみたいで・・・」 薔薇「あ・・・」 たしかに銃はバラバラで目も当てられない状態である。 蒼「困ったけど、後でちゃんと謝ろうと思ってたところなんだ・・・」 薔薇「・・・姉さん・・・怒ると・・・恐いよ?」 蒼「いや、話せば分かってくれるよ。弁償だって高くてもちゃんとするし。」 薔薇「この銃・・・たしか姉さんが・・・物凄い・・・楽しみに・・・していた奴だから・・・」 何故か可哀想な子でも見るかのような目で蒼星石を見つめる薔薇水晶。 たしかにあの奇天烈な姉は、怒ると何をしでかすか、分からない。 蒼「うーん・・・でも、やってしまったものはしょうがないよ。僕なりにちゃんとお詫びはするつもりだ。」 そして、間の悪い・・・のかどうなのか、雪華綺晶のご帰還と相成ってしまった。 雪華「ふふふ・・・さあてと・・・射撃部で・・・ふふ、ふふふ・・・・」 笑っているのかいないのかハッキリしない口調で喋る雪華綺晶。 これから射撃部で何をするのか、想像するだけ恐ろしい。 蒼「あのー、雪華綺晶先生・・・」 雪華「・・・うん?・・・ごめんね・・・私これから・・・射撃部にいくの・・・」 蒼「それは分かってるんですけど・・・あのですね・・・」 今までの経緯を実物を交えて、雪華綺晶に説明する蒼星石。 話せば話すだけ、雪華綺晶の顔から、見た感じでは気づかないが、血の気が引いていった。 蒼「というわけなんだ・・・。本当に申し訳ないことをしたと思っている。 弁償してもいい。・・・だから許してくれとは言わないが、どうだろう?」 誠実な態度でもって雪華綺晶に接する蒼星石。 だが、それでも雪華綺晶の様子がどこかおかしくなってきて・・・ 雪華「わ、私の・・・ハーネル・・・ハ、ハーネルが・・・」 ぶつぶつと言い出した後、カクンと体が落ちた。そして恐怖がやってくる。 雪華「ドイツの科学力は世界一ィィィィィィィィ!!!!!」 いきなり、体を振り上げたかと思うと、そう叫び蒼星石に迫る雪華綺晶。 雪華「よ、よくも・・・私の・・・私の楽しみにしていた・・・ハーネルを・・・!!!」 ハーネル。ハーネル StG44突撃銃。ドイツのハーネル社が開発し、 第二次大戦後期のドイツ軍主力火器として使用された、世界初の本格的突撃銃。 雪華綺晶のことだ、モデルガンでない本物なのであろう。 こいつをぶっ放したい一身で今日を過ごしてきた雪華綺晶にとって、このアクシデントは青天の霹靂であるのだから その怒りたるや、普段からは考えられないくらい凄まじいものがあった・・・らしい(By.蒼星石)。 蒼「お、落ち着いて・・・たしかに僕が悪かったよ。だから、弁償もするし」 雪華「な、何言ってるの?!・・・あなた・・・この銃の価値が・・・分からないの!?」 蒼「そ、そんなに高いのかい?」 いくらなんでも万単位程度で考えてたので、それ以上高額になるとちょっと・・・ と引け目を感じてしまう蒼星石。必死に自分の預金残高を思い出そうとするが。 雪華「値段の・・・問題・・・なんかじゃない!!」 蒼「え?」 雪華「私は・・・雨が降り続く・・・一週間前から・・・これを・・・楽しみに・・・していたのにっ!! それを・・・あなたって人は・・・!!」 そう言い様、またも蒼星石に掴み掛かる雪華綺晶。 たしかに楽しみにしていた物をいきなり壊されては堪ったものではない。 しかも、訓練しているだけあって掴み掛かるその力も凄まじい。 薔薇「ね、姉さん・・・お、落ち着いて・・・」 おっとりと姉の暴行を止めに入る薔薇水晶。たしかにこの事件は蒼星石が悪いが いくらなんでも、これはやりすぎだと言いたいのだろう。 蒼「うう・・・く、くるじい・・・」 薔薇水晶が止めに入ったお陰か、何とかその手を離す雪華綺晶。 雪華「うう、私の・・・ハーネル・・・ひっく・・・うう・・・うわーん!!」 感情を表に出さないことで有名な雪華綺晶が突然の号泣。 さっきまで苦しんでいた蒼星石も、そして薔薇水晶までもこれには驚く。 蒼「き、雪華綺晶先生?!」 薔薇「ね、姉さん・・・」 雪華「あァァァんまりだァァアァァ!!!うわーん!!」 どうしよう、たしかに悪いのは僕だが、こうまでなるとどうしてよいのか・・・ 対応に困る蒼星石。普段物静かな奴がキレたりした場合もどうしていいか分からなくなるのと一緒の心境である。 蒼「あ、あの・・・」 と、やはり誠実に対処しようと大人の対応を見せようとしたが 雪華「・・・ふぅー・・・スッキリ・・・」 さっきまで号泣してたのが嘘かのように静かになった雪華綺晶。 そして、また対応に困り始める蒼星石達。 蒼「あ、あの・・・やっぱり・・・僕、弁償するよ。本当にごめんよ。」 やはり、大人の対応を見せるしかない蒼星石。だが 雪華「ふん・・・そんな・・・自分の・・・ぬいぐるみを・・・持ってるような・・・不思議ちゃんには この銃の価値なんて・・・一生分からないんだわ・・・。」 蒼「なっ!?き、雪華綺晶先生、言って良いことと悪いことがありますよ?!」 自分の心から愛した生徒の愛情の籠もった贈り物に対して何ということを・・・そう反撃した蒼星石だったが、 そんな蒼星石を一瞥しただけで雪華綺晶はプイッと向こうをむいてしまう。俗に言う拗ねるという行為である。 雪華「ふーん・・・いいもーんだ・・・蒼星石には・・・そんなのがあって・・・私には・・・」 蒼「だ、だから、謝っているじゃないですか?!弁償もしますって!!」 雪華「謝って・・・すむ・・・問題じゃない・・・」 蒼「くぅ・・・」 糠に釘、暖簾に腕押しとはまさにこういう状況を言うのだろう。どうしたものだろうか。 そして、今まで黙っていた薔薇水晶が突然動き出す。 薔薇「姉さん・・・この銃は・・・壊れちゃったけど・・・また買えるよね? でもね・・・失った信用は・・・いくら出しても・・・買えないの・・・」 妹の言葉には耳を貸すのか、素直に聞き入れる雪華綺晶。 薔薇「姉さんは・・・物じゃないでしょ?・・・人間だわ・・・心に愛を抱いてるもの・・・ 蒼星石だって愛を持って・・・接してくれているんだから・・・許してあげよう?」 蒼「ば、薔薇水晶先生・・・」 雪華「・・・分かった・・・じゃあ・・・許してあげる・・・」 ちょっと納得はいかないが、妹の必死の説得が効いて素直になった雪華綺晶。 薔薇「姉さんは・・・貪欲と・・・憎悪と・・・暴力を・・・克服したのよ・・・」 雪華「私は・・・ハンナ・・・じゃないんだけど・・・」 蒼「???」 2人が良い事を言っているのは分かるが、チンプンカンプンの蒼星石。 だが、許してもらえただけ幸いであろう。下手したら銃殺刑とかになりかねない。 蒼「良かった・・・それじゃ・・・許してもらえるのかい?」 雪華「うん・・・あ、待って?・・・1つだけ条件がある・・・」 薔薇水晶も蒼星石も条件とは何事かと見つめる。 雪華「これ・・・」 これ・・・膨らませてあるゴムボールらしき物体を取り出した雪華綺晶。 雪華「射撃部で・・・これを・・・頭に・・・付けて・・・動く的になってくれたら・・・許してあげる・・・」 薔薇「ね、姉さん!!」 その後、やはりそんな要求が通る筈もなく、職員室では妹に説教を受ける姉の姿があったそうな。 雪華綺晶曰く、あんな憤慨した妹は見たことがない・・・らしい。
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人間が最も古代の生物から受け継いでいる、光と闇の根本的な区別、それがあるんじゃないのか 何と言っても、光に対する反応は、生そのもののあらゆる可能性に対する反応なんだ 私達に解って居る限りでは、この区別は世の中で最も強い区別であり、ひょっとしたら、たった1つの区別かも知れない。 それが何十億年と言う間、毎日、強められてきたんだ J・G・バラード、結晶世界 . ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 浮いている、と言う表現がある。 文字通りの意味ではない。集団の中でその人物或いは物だけが、異様に目立っているように見えて、不自然に見える事をこう言い表すのだ。 黒い鴉の中に、白い鴉がいたら目立つだろう。赤いバラの中に一厘、青いバラが咲いていれば目立つだろう。そう言う事を、浮いていると言うのだ。 複数の人間から構成される組織や集団の中でそう言った現象が起こると、大抵浮いている人間に待ち受けているのは、排斥かそれに近しい境遇である。 猿や犬、果ては昆虫や魚の世界ですらそう言う現象は起るのだ。知能を持った人間の集団で、それが起きぬ筈がなかった。 無視で済めば可愛い方だ。酷いと、『いじめ』と言う名の私刑にすら発展する事は、この場合珍しくないのだった。 端的に言えば『光本菜々芽』は浮いている部類の少女だった。 後ろ髪を長く伸ばしたブルーブラックの髪、全体的に黒で統一された服装。そしてその整った顔立ち。 明るく、社交的な性格をしていれば、きっと子供からも、況や大人からも、ウケの良い少女だったに相違あるまい。 しかし、実際には違った。彼女は浮いていると言うよりは孤立していると言う表現の正しい少女だったのだ。 10歳と言う年端も行かない年齢であるのに、達観とも老成とも取れる、大人びた雰囲気が、同年代に比べて目立つと言うのも確かにある。 だがそれ以上に彼女の孤立を助長させるのが、仏頂面とも取れる不愛想な表情を、常に浮かべている事であった。 同じクラスの子供達は、菜々芽が笑っているその瞬間を目撃した事がないのではなかろうか。教師ですら、ないかも知れない。 それ程までに、彼女は不愛想だった。しかしそれでいて、勉強も運動も人並み以上に出来る。今は公立に所属しているが、元々名門私立の小学校を目指していた少女だ。 運動は兎も角、勉強は同年代の子供よりずっと出来るし、中学で習う勉強も既に菜々芽は学んでいた。こんな風だから、クラスでは彼女は孤立している。 余りグループの輪にも入れて貰えないし、体育の授業での班決めでも何時も『あぶれ』の組だ。その上、黒い服装を好んで着るので、着いたあだ名が死神だ。 子供の語彙力と言うのは、たかが知れている。しかし、少ないからこそ、婉曲や皮肉と言った、本質をオブラートで包んだ表現が使えない。 つまり、本質をこれ以上となく適切かつ短い言葉で表す能力に長けている。あだ名の類などまさに、それが如実に表れている。 菜々芽が冬木市内の小学校を去り、家に着いたのは夕の四時。 裕福な家庭なのだろう。庭付きの一軒家だった。ただいまの挨拶もなしに、彼女は家の中へと入って行く。 「ただいま、はどうしたの」 「……ただいま」 面倒くさそうに菜々芽は言った。 菜々芽の目の前には、これまた菜々芽譲りのブルーブラックの髪と、綺麗な顔立ちをした女性が佇んでいた。 しかしその表情は、如何にもヒステリックな相と皺とがノミを当ててみた様に刻まれており、日頃のストレスが溜まっている事が一目で窺える風貌であった。 菜々芽の母親である。母娘と言う間柄であるのに、二人の関係は頗る悪い。菜々芽は母の前で笑みを零した事はここ数年ないし、母もまたしかり。光本家は、完全に冷え切っていた。 「今日は何かあったんじゃないのかしら?」 どんなに嫌悪しても血を分けた家族、と言う事なのだろう。伊達に10年一緒の関係じゃない。母親は、菜々芽の表情を見て、今日は学校で何かがあった事を悟ったのだ。 「抜き打ちテストの結果が戻って来ただけ」 「結果を見せなさい」 言われて、ぶっきら棒にランドセルから、一枚の藁半紙を取り出し、それを手渡した。 算数の問題だった。98点。言うまでもない高得点だ。難しめの計算問題から、図、グラフの問題。そして大問の最後の方の文章題も、完璧な答えだ。 しかし、母親は結果が不服だったらしく、小刻みに身体を横に振るわせ、その結果を眺めている。元々100点以外の点数は認めない程、融通の利かない女だったが、今日は特に怒りに震えている事が菜々芽には解る。此方も伊達に、10年付き合ってはないと言う事だ。 「――菜々芽!!」 口角泡を飛ばし、母は叫んだ。 「こんな簡単な問題で、100点を取れなかった事もそう!! だけど、私が許せないのが、何だか解る!?」 「……」 沈黙で、菜々芽は返した。それが、母の怒りを増長させる結果となった。 「貴女、こんな簡単な問題を間違えるなんて、わざとやったでしょ!!」 言って母親は、藁半紙を菜々芽に突き付けた。 実を言うと菜々芽が100点と言う王手をかけらなかった問題と言うのは、全然難しい問題じゃなかった。 それ所か、彼女程頭の良い少女なら目を瞑ってても解けるし、同じクラスの一番頭の悪い男の子でも、30秒あれば十分解けるレベルの簡単な問題だ。 その問題とは、大問の1番の、最初の計算問題。しかも、4桁の数字の足し算だ。誰が見てもサービス問題。それを菜々芽は、空白で提出したのである。 書き忘れはあり得ない。最初の問題のパラグラフの小問を、全て彼女は正解している。わざと――それこそ、母親への意趣返しでもやらねば、この結果はあり得ない。 「見えてなかっただけだよ、お母さん」 「ッゥ……!!」 本当にそうだった、とでも言うような風に菜々芽が答える。 それを受けて、全身の血液が全て顔に回って来たように、母親の顔は真っ赤に染まり、菜々芽の事を睨みつけた。 「もういい!! そうだったらしっかりとケアレスミスした事を自室で反省なさい!!」 言って、バッと2階の菜々芽の私室を指差し、母は彼女から目を逸らしそう叫んだ。 母親としては、9割方菜々芽は自身の母は失格だと思っていた。しかし残りの1割の部分を母と認めているのは、理性を働かせて、 菜々芽に余り手を上げる事がないからだ。だからこそ、菜々芽は母の事を「お母さん」と呼んでいた。 いつまでもその場にいると流石に母から手を上げれても文句は言えないと思い、そそくさと靴を脱ぎ、揃えてから、2階の自室へと菜々芽は向かう。 彼女の思う通り、この聡明な10歳は、わざと問題を空白で提出した。確かめたかったからだ、自らの母親を。 結果は、あの通り。菜々芽の母親に、あんな意趣返しそのもののミスをしたテストを提出しようものなら、烈火の如く怒る事は解っていた。解っていて、菜々芽は提出した。 ――だって菜々芽は、元々冬木と言う街の住民でもなければ、昭和55年にはそもそも生まれてない少女であったのだから。 この世界に来てから彼女は、自分のいた年代と今の年代の差額を計算した。菜々芽どころか、自分の母親ですら二歳児、三歳児程度の年なのだった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 要するに光本菜々芽は、この世界――或いはこの年代の――の住民じゃないと言う事だ。 何でこの世界に菜々芽が存在するのか、彼女自身よく解ってない。気付いたら、彼女は此処にいた。 スマートフォンや薄型テレビが当たり前になっていた彼女の世界から、二十年三十年時を巻き戻した様な生活水準。 そして、菜々芽からすれば最早学校で習う歴史の中で起っていた世界情勢が、当たり前のように周りを取り巻いている。 タイムスリップしてしまったと、思い込むのも無理はない事柄だった。であるのに、母親は元居た世界のような風貌と物の考え方で健在していて。 しかも自分にはしっかりと、公立小学校に通う女子小学生と言う役割すら与えられている始末だ。抓って、この世界が夢でない事を菜々芽は確認している。 あの母親を装う女は偽物の誰かなのではないかと思い、反応を試す上で、わざと抜き打ちテストの答えを間違えて彼女を試すような真似をしたが……。 結果は先程の通り。菜々芽自身が、母親までタイムスリップして来たと思う程彼女は、元居た世界の彼女通りの反応をする。頭が、どうにかなりそうだった。 ……いや、もしかしたら、もうなっているかも知れないのか。 元々いた世界では、自転車を漕いでクラスメイトの浜上優に会いに行こうとした時であった。 下り坂に差し掛かった時、ブレーキが効かなかった。ブレーキを駆動させる為の線を知らぬうちに切られていたのだろう。 そのまま如何するか考えている時に、横合いの道路からトラックが突っ込んで来て――其処からの記憶が、ない。 此処は、天国なのか地獄なのか。菜々芽はもしかしたら、此処は死んだ人間が行く世界なのかと、本気で考えていた。 「いいや、それは違うな」 男とも女とも判別出来ぬ声が、菜々芽の部屋に響いた。机に向かい自習をしていた菜々芽が、その方向を振り返る。 顔中に包帯を巻き、その上にお札――呪符、と言うらしい――を何枚も張り付けた人間がいた。 ゆったりとした服装からは、性別を窺わせない。包帯も顔中に巻いているのではなく、右眼だけは露出させているのだが、それが異様に大きく、魚めいてギョロっとしていた。 「此処は間違いなく生きてる人間達の国。一人たりとも死んで、霊体や魂だけになった奴らは存在しない。正真正銘、リアルの世界さ」 その不気味な風貌からは想像もつかないが、意外にお喋りらしく、この人物は度々菜々芽とコミュニケーションを図ろうとする。 今彼が違うねと言ったのだって、彼が菜々芽の身の上を聞いて来たから、それに彼女が答えたからであった。 何故そうまで話したがるのかと聞くと、「オレはカカシじゃないんだ。それにお前はオレのマスターだろ、話ぐらい通しとけ」、と至極正論。 ……そう、この人物こそが、菜々芽のこの世界に於ける違和感を共有してくれる者。この世界に於ける現状唯一の、菜々芽の味方。 アサシンのサーヴァント。これから菜々芽が巻き込まれる事になる――聖杯戦争と言う名前の殺し合いを制する為の、右手であり唯一の剣だった。 「それにしても……陰険な女だなぁ、その、蜂屋あいって言うのはさ」 蜂屋、あい。その名前を聞く度に、身体が強張る。緊張と言うのもあるが、それ以上に怒りだった。 多くの人物のレールを乱し、グチャグチャにする天使の身体と顔を持つ、おぞましい悪魔。彼女はしかも、自分から手を汚さない。 手練手管を用い、天使の風貌に惹かれた者達を巧みに操って、自分が楽しいと思う悪事を働く少女。それが、菜々芽には許せなかった。堪らなく、認められなかった。 「それで、お前は如何したいんだ? 聖杯使って蜂屋あいでも殺すか?」 殺す。その言葉をアサシンから聞いた瞬間、ゾッと怖い物が足元から這って出て来た感覚を菜々芽は憶えた。 余りにも、物質的な量感を伴い過ぎていた。一目見た時から、人間以外の何かで、そして、小突けば自分など粉々になるだろう程の力を有している事は、解っていた。 そんな人物が殺すと口にしたのだ。異常なまでの現実感を、錯覚してしまうのも、無理からぬ事なのだ。 「殺すまではしない」 それ位の良識は、菜々芽にもある。殺してしまえば、蜂屋は悲劇の被害者になる。 一方殺してしまえば、菜々芽の方は一生鬱屈とした気分で、残りの人生を過ごさねばならなくなる。それは、蜂屋あいとの戦いへの敗北に等しい。 殺してしまった方が敗者で、殺されてしまった方が勝者。その関係が、蜂屋と菜々芽の関係で代入されてしまう事が、菜々芽は許せない。 「でも話を聞くに、そのあいって娘、手遅れだぜ。そう言う手合いは昔何度も見て来たよ。そいつは多分、自分が殺される段になっても、笑って死を受け入れる位の度胸を持った、筋骨の通ったバカだ」 「だから、殺すしかないと?」 「野蛮?」 「幻滅した」 「アサシンって、暗殺者って意味だぜ? 今更だろ」 ふっ、とアサシンは笑った様子を見せる。 「お前の言う4年2組、だっけ? そんなにお前の手で、そんなちっぽけな世界を取り巻く問題を解決したいのか?」 「……どう言う意味?」 菜々芽が声に冷たい物を宿らせても、アサシンからすれば脅しにもならないだろう。現に彼は全く答えた風を見せず、平然と返事を行っていた。 「お前は、その年の人間って奴にしちゃ、変に度胸の据わった奴だと思うよ。そんな奴だったら、喧嘩も滅多に売られないだろ。何で態々、修羅の道を選ぶんだ?」 「救いたいと思ったからよ」 菜々芽の返事は、簡潔で、そして、意思の強さを感じられるそれだった。 「アサシンは、教室の事をちっぽけな世界だって言った。そうだと思う。子供が30人しかいない世界、ちっぽけにも程がある」 「――でも」 「そんな世界でも、子供達なりの道理と法則が働いてて、皆それに沿って動いてる。それに子供だけじゃない、子供の親も世界に関わる人物に含めるなら、教室の世界はもっと広がる」 現在進行形で子供ある菜々芽は、よく理解している。教室とは子供が中心の世界であり、そして、子供の法則に従って動く『社会』であると。 心と知性を持った人間が複数人集えば、その時点でルール等の規範が生まれる。それは即ち社会であり、法則だった。 子供達の世界にもそれがある。大抵は他愛のない、大人から見ればつまらない法則で動く社会だろう。 ――しかし同時に、子供は染まりやすい。良きにつけ悪しきにつけ、影響を受けやすい。 そして4年2組は、蜂屋あいと言う黒に染まり切ってしまった。子供ゆえの無邪気は、蜂屋の黒によって残酷さに反転してしまった。 子供はブレーキの利きが緩い。平然と、一線を越える。彼らが元来有していた未成熟で、しかしそれでいて大人のそれよりもずっと恐ろしい、無邪気さゆえの残酷さは、 クラスメイトだった曽良野まりあを呆気なく死に追いやり、しかも彼らの多くがその死をまともに受け止めていない。大人からしたらあの教室は、異常な世界だった。 今あの、子供の法則だけが絶対の珊瑚島で、大切な少女が追い詰められている。 浜上優と言う名のその少女は、教室は勿論、家からも阻害され孤立していた光本菜々芽の光になり、淀んだ心を綺麗にしてくれた水の様な少女だった。 彼女があの狂った世界に身を置き、変わって行く様子が、見ていられない。 一度は、蜂屋との勝負に負けた菜々芽だった。端的に言って、浜上は今憔悴状態に陥っている。 しかし、今度は絶対に負けない。絶対に蜂屋あいの正体を皆に知らしめ、あのクラスを元通りの世界にするんだ。クラスの為に。そして、自分の光になってくれた浜上優の為に。 「だからアサシン。私の大切な、だけど、戦わなくちゃいけない世界の事を、ちっぽけだなんて言わないで。私は、本気で戦ってる」 それを受けて、アサシンは無言を保っていた。 数秒程経って、やおら、と言う様子で顔の包帯をシュルシュルと器用に解いて行き、それをパサッと地面に置いた。 ――その顔を見て、菜々芽は、絶句した。まるで、そう言う表情を浮かべるのが、当然の礼節であると言うように。 「オレが醜いと思うか?」 平然とアサシンは言った。 「まだある」 言ってアサシンは、自分が着ていた道着にも似た服も脱いだ。 衣擦れの音が痛い位菜々芽の耳に大きく聞こえる。パサッと地面に服が落ちた。 アサシンは女だった。きめの細かい白い肌と言い、肉体の見た目の柔かさと言い。 乳房もあったし、男に生えているべきものが伸びている所には何もなく、彼女の橙色の髪と同じ色をした陰毛が鬱蒼と生えているだけだった。 ――だが、彼女の身体の右半分の殆どは、赤く醜く焼け爛れていた。 火傷を負ってこうなったと言うよりは、酸性の液体を浴びせ掛けられてこうなったと言うべきそれで、その爛れた痕が、 彼女の頭の右半分の殆どと、胴体の右半分全て、そして脚部の中頃まで続いていた。包帯の奥から覗くギョロっとした右眼は、瞼がなくなったからであった。 右腕も殆ど機能していないのか、機械に似た義腕を肩の付け根の辺りから嵌めており、爛れた頭の右側頭部にも、演算の補助を行う為の副次的な装置を取り付けている。 アサシンは、自分の事を醜いかと聞いて来た。 絶句はしてる。しかし、目を離せない。それはアサシンが、醜いからではない。寧ろ菜々芽は、その爛れた所を綺麗だとすら思っていた。 アサシンが余りにも、自身の負ったこの傷に、負い目も引け目も感じていない。それどころか、己を象徴する勲章であると誇っている風にすら見えたからだ。 だから、美しい物に菜々芽は見えた。女としては、死んだも同然の姿。その事を、アサシンは誇っている。そんな様子が、美しいのだ。 「生まれたその時から性奴隷だった」 アサシンは語り始める。 「生まれて間もなくやられた事が、子宮の除去だった。おかげでオレは今も昔も、女の癖に子供の産めない身体になっていた」 話を続ける。 「初めての相手は血の繋がった実の父親。誕生日の度にオレの身体には傷が刻まれ、次の誕生日が来るまでに、お前には想像も出来ないような事をオレはやらされたよ」 そしてすぐに、アサシンは焼け爛れの痕をつつとなぞった。 「7歳の頃に自分から酸を被った。親父の性奴隷と性癖を満たす為の運命から逃れる為に、女である事を完全に捨てた。当然の処置と言うように、奴はオレを肥溜の中に捨てた。その時からオレは、我武者羅に走り続けて、今みたいな風になった」 爛れの痕をなぞっていた人差し指を離し、目線を菜々芽の方に向ける。 「醜いって言われなくて良かったよ。この傷はオレの誇りなんだ。どんな腕の良い医者にも、治させやしない」 そう、理解した。 アサシンにとって自分の右半身の焼け爛れの痕は、自分が呪われた運命から脱却出来た事を何よりも雄弁に証明する証なのだ、と。 呪われた運命から逃れ、自分の運命を新しく切り拓ける切欠となったその傷を、彼女は何処までも誇っている。だから、どんな者にも治させないのだ。菜々芽はその事を、直感的に理解してしまったのだ。 「勘違いはしないで欲しいが、オレの方が不幸でありお前の不幸など大した事ではない、と言いたい訳じゃないぞ」 「じゃあ、何て言いたいの」 「お前は子供らしくなさすぎる」 単刀直入にアサシンは言った。 「確実に言える事は、お前の境遇は少なくともオレよりはずっと恵まれている。頼る奴もいるし、取り巻く環境もオレがお前と同じ歳の頃程絶望的な訳じゃない」 それはそうだろう。生まれた時から奴隷として運命づけられた女に比べれば、世の殆どが恵まれているに違いない。 「お前の周りは、そんなに信頼出来ない奴ばかりか?」 「……解らない。けど、同じ思いの人は、いる筈」 「敵は強いと思うか?」 「強い」 「お前一人で勝てそうか?」 「……」 「だったら、もっと子供らしく素直に振る舞っておけ。そうすれば、道もいつかは開くさ。少しお前は可愛げがなさ過ぎる。あれじゃ母親も怒るぞ」 「お母さんは関係ない」 「まともな家族と無縁だったオレがこんな事を言うのもアレだが、家族は大事にしとけよ。オレには一生解らないが、結構良いものらしいからな」 そう言うとアサシンは、脱いだ道着を慣れた要領で身に付けて行く。その様子を眺めながら、菜々芽は、口を開いた。 「アサシン、人を元気づけるの、苦手でしょ」 シュッと。道着をちゃんと着用してから、返事をした。 「見ての通りさ。オレもお前と同じで、友達が少なくてね」 「少し、元気づけられた。……ありがとう」 「どういたしまして」 包帯を拾い、それを顔に巻こうとした、その瞬間だった。 「――アサシン」 「どうした?」 巻きかけの体勢のまま、アサシンが言った。 「……私を絶対に、元の世界に戻して」 「そんな事か」 つまらない、しかし、それが当然の仕事だと言うような態度で菜々芽の方に向き直り、アサシンは口を開く。 「お前の引き当てたサーヴァント――『軀(むくろ)』は雑魚共には遅れは取らんさ」 出来の悪い妹でも見るような瞳で、軀が言った。 聖杯戦争への緊張と、これから待ち受ける過酷な運命で濁っていた菜々芽の心が、水を注がれたように、少し綺麗な物になって行くのを、彼女は感じたのだった。 【クラス】 アサシン 【真名】 軀@幽☆遊☆白書 【ステータス】 筋力C+~A++ 耐久A 敏捷B+~A++ 魔力A 幸運E- 宝具EX 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 【保有スキル】 卑賤よりの栄光:EX 低い身分から始った人生において、どれだけの成功を掴めたかを象徴するスキル。 その性質上当該スキルの持ち主は、賤民或いはそれに近しい身分の出でなければならない。 黄金律とカリスマを兼ね備えた複合スキルであるが、アサシンの場合におけるこのスキルのEXはAランクの更に上と言う意味であり、黄金律・カリスマ共にアサシンの場合はA+ランクに相当する。生まれたその瞬間から性奴隷としてスタートし、その身分から、力こそが全ての魔界で強大な王国を作り上げ、最低でも千年以上国王として君臨してきたアサシンのスキルランクは、規格外のそれを誇る。 気分屋:A 気まぐれな性分であるかどうかのスキル。ランクが高ければ高い程、行動に一貫性がなくなる。 アサシンの場合は、行動にも目的意識も極めて一貫性が高いが、彼女の場合その気まぐれさは戦闘に表れる。 平和的、競技的な性格を秘めた戦闘において、アサシンのステータスは低下する。特に顕著なのが筋力と敏捷である。 威圧:A+ S級妖怪の遥か上を往く、魔界の三大妖怪としての威圧感。 このランクになると、ランクB以下の精神耐性の持ち主はアサシンの姿を見るだけで怯み、Aランク以上でもこの限りでない。また、同ランクまでの精神干渉を無効化する。 【宝具】 『支配せよ、痴れた大地を』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:- 個人の性奴隷と言う、最低最悪の身分から人生が始まり、其処から徐々に力を付けて行き、力こそ全てと言う理と『無秩序』が絶対の概念である魔界に於いて、 三大妖怪とまで言われる程強力な個体にまで成長、遂には巨大な国家をも樹立した、アサシンの成功譚及びそれによって獲得した王威が宝具となったもの。 アサシンはスキル、卑賤よりの栄光に内包されている『カリスマのスキルランク以下のカリスマスキルの持ち主と、そもそもカリスマを持たぬ存在』に対し、 大幅なファンブル率の上昇と此方側の行動の達成値に大幅な上方修正を掛ける事が出来る。 これを無効化するにはランク以上のカリスマ系スキルと、Cランク以上の叛骨の相に似たスキルが必要になる。対魔力での防御は不可。 厳密には『卑賤よりの栄光スキルを最大限に発揮している状態こそがこの宝具』であり、発動は任意。使用中は魔力の消費が掛かるが、スキルの延長線上の宝具の為消費は低い。 【weapon】 【人物背景】 魔界の奴隷商人であった痴皇と呼ばれる男の娘であり、彼の玩具奴隷として人生をスタートする。 生まれた時から腹を改造され、痴皇に弄ばれる日々を送るも、7歳の誕生日に自ら酸をかぶることで痴皇の興味を殺ぎ、捨てられる事で自由を手にする。 その後、我武者羅に魔界の住民を殺す日々が続き、いつしか魔界の一角を牛耳れるほどの力を手にし、強大な国家を形成する。 彼女の歴史は想像以上に古く、彼女が巨大な国家を形成し、無敵の妖怪として君臨していた頃には、作中の殆どの人物は妖怪含めてまだ生まれてすらいなかった程。 その後、飛影と呼ばれる男との出会いややり取りもあり、過去にけじめをつけ、一人の妖怪として生きて行く事になる。 【サーヴァントとしての願い】 特にないし、未練もない 【マスター】 光本菜々芽@校舎のうらには天使が埋められている 【マスターとしての願い】 元の世界への帰還。この際、マスターはなるべく殺したくないし、そもそも戦闘も避けたい 【weapon】 【能力・技能】 【人物背景】 教師からですら面倒くさがられる程の教育ママを持ち、度重なる不幸な出来事と性格のせいで、クラスからも孤立していた少女。 ある時一人の少女の温かさに触れ、彼女の友達になりたいと願うも、その友達が酷いいじめに遭っていた事を知る。 元々いじめの事は知っていたが、部外者のスタンスを崩さなかった菜々芽であったがその後、友人を護れなかった事を後悔。 今度こそいじめを止めさせようと行動に出、蜂屋あいと戦うようになった 二巻終了時の時間軸から参戦 【方針】 元の世界への帰還。蜂屋あいとの決着には、聖杯を絶対に使わない。 【把握媒体】 軀: 初登場巻は全19巻の内17巻とかなり遅め。最悪17巻からでも把握は可能だが、このキャラクターと絡む飛影は作中初期から登場するキャラクターの為、完全に把握したいとなると、1巻からの把握が推奨 光本菜々芽: 2巻まで見れば凡そ把握は出来る。彼女のカッ飛んだ行動力等が見たいとなると最低3巻までの把握が必須となる。こいつ本当に小学生なんすかね……?
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割れた星のTRIANGLE(前編) ◆0zvBiGoI0k 【一】 私達五つ子は、全員見た目が一緒だ。 一花、二乃、四葉、五月、そして私、三玖。 体重も、体型もきっかり五等分。 ほんとは嘘。体重と胸囲はそれぞれ一人抜け駆けしてる。誰かは言わないでおく。 でもそれ以外はみんな同じ。髪型を揃えると家族以外には見分けがつかない。 ある日を境に、見た目や性格にそれぞれ個性が分かれてきたけれど。 度々入れ替わっても気づかれないくらいに、私達はそっくりだ。 でもいま目の前で横たわる四葉は、私達とは似ても似つかない姿をしていた。 まるで人の形をしたプリンをスプーンでひと掬いしたみたいな、不出来な造形。 そんな出来の悪い、かつ趣味の悪い壊れたモノに、私は目を逸らすことができない。 だって―――これは四葉だ。 見違えるような顔でも、どんなに変わり果てても、ずっと過ごしてきた家族を見間違えるはずがない。 五つ子の中で一番元気で、いつも自分以外に気を配って、そのせいで損ばかりしてきた子。 初めて覚えた恋の感情に、臆病になっていた背を優しく押してくれた人。 違うものとして見ることなんか、していいはずがない。 ああ。でも、だからって。 これはあまりにも違い過ぎる。 あまりにも私達から、人の姿から外れ過ぎている。 光の失せた瞳は、姉妹の誰にも映ったことのない濁りに染まっている。 顎の下から胸はまるごと抉り取られて、腹の底まで見えている。 髪と眼以外の、人を判別するパーツの大半がどこかに消え失せてしまった。 これじゃあ五つ子だなんて言っても誰にもわからない。同じ人と認識すらしてもらえない。 知らなかった。知りたくなかった。 自分の一部みたいに思えた大好きな姉妹が、尊厳なんてものを尽く奪われたカタチにされたら―――こんなにも■く見えるなんて。 ……それとも、とふと思う。 よく見ていなかっただけで、中野四葉という人物ははじめからああいう姿をしていたのか。 恐る恐る、自分の指を首の下へと触れる。 そこには、四葉にはない部位の、肉と骨の感触がした。 そのまま下に向けて這わす。柔い肉、深い隆起。 どれもあの四葉にはないものだ。 四葉と私は五つ子の姉妹で、見た目は他人に区別がつかないくらいそっくりで。 だから、四葉にないのなら、私にもあっちゃいけないものだ。 さっきまで当たり前に自分に張り付いていたものが、急に悍ましいものに感じる。引き剥がしたくて仕方がない。 けど摘んでも、引っ掻いても、不要な肉は完全に癒着して離れない。 まるで、それが生まれた頃からあった私の体だとでもいうように。 私は我慢ならず、四葉と同じになる為に、首に爪を立てて思い切り――――――――― 「三玖!!」 立香に呼び止められて、浮遊していた意識は地の着いた現実に引き戻された。 「……立、香?」 ……鮮烈な痛みに目がくらむ。 立香が掴んでる、爪が真っ赤に染まった自分の手。 首から滴り落ちる水で濡れた、赤い染みが目に映る。 そこで漸く、自分の爪で自分の首を掻き毟っていたのに遅まきに理解した。 「落ち着いて、三玖。とにかく傷を手当てするからこっちに……」 立香が何かを言っているけど、よく聞こえない。 考えがまとまらない。傷は熱を伴ったみたいで、痛みで思考が攪拌されてる。 ミクニも、猛田も、全てが等しくどうでもよく思える。 ただ今は、四葉に近づきたい。 霞がかった頭でふらふらと足を前に進めようとして、それを、手を掴んだままだった立香が引き留めた。 「離して」 「三玖」 「お願いだから離して、立香」 「だめ、行かせられない」 「離して、よ……!」 無理やり振り払おうと力を込めたが、拘束は解かれない。 大きさも重さも大差はないのに、抜けようと足掻いても立香の体はびくともしない。 それどころか空いた方の手で体を抑えられて身動きが取れなくなった。 「そこにいるの。だって。四葉。そこに。いるの、に―――」 唯一自由な手だけが虚しく宙を上下する。 言ってることはなにもかもめちゃくちゃで。進んで、そこでどうするかすら浮かばないのに。 意味もないまま前に進もうとあがき続ける。 「よつばぁ……!」 掴まり一向に前に行かない足が何度も地面を踏み鳴らす。 そんな微かな振動だけで、 元々皮一枚で繋がっていた四葉の首がくず折れて、もう何の色も宿っていない眼球が、ぐるりと私の方を見た。 「―――――――――――――――――――――ぁ」 ぶつりと、支えていた糸が切れる。 体も、心も、そこで限界だった。 臨界を越えて溢れる波に意識が呑み込まれる。 自由放棄。崩折れて床に倒れる全身は、自分以外に受け止められた。 「っ!ふたりとも、救急箱探してきて!なければ綺麗な布でもいいから!」 「ああ!」 「わ、わかった……!」 焦りながら指示する声。 ばたばたと慌ただしく駆ける足音。 めまぐるしく変わっていく光景を、まるで他人事みたいに虚ろな目が映している。 「あったぞ、救急箱!」 「でかした!猛田!」 「ありがと!じゃあ手当ての間誰か外を見ていて―――」 やがて、とうとう視界も落ちる。 耳も聞こえなくなり、肌も触れたかわからない。 世界との繋がりが断線されていく。 ……ドロドロに融けて半端に固まった、出来損ないのチョコレート。 意識が落ちる最後の瞬間まで、ずっと胸の奥にへばりついていたのは、そんな感情だった。 【ニ】 「城戸さん、立てますか?」 ボロボロの姿で膝をつく真司に、さらにボロボロの炭治郎は気絶した一花を抱えながら手を差し出した。 「君の方こそ傷だらけで大丈夫かい?俺は変身してたから平気だけど……」 「痛みますけど、動けます。鬼と戦えるよう鍛えてますから」 額に血の跡を残しながら、きっぱりと炭治郎は言った。 ライダーという鎧があった真司と違って生身で戦った炭治郎を心配するが、二人の生身での頑健さでは大きく開きがある。 一回りほど年齢の差があるのに変身した真司達の戦いに入り込めていたのは、今でも信じられない気持ちだ。 「なら、その子は俺が抱えるよ」 「いえ、俺は刀が折れてしまったから戦えないので、城戸さんは周りへの警戒をお願いします。 いざという時の為に一花さんだけでも逃がせるようにしないと……」 「子供がそんな無理しなくていいよ。今だって辛いんだろ?」 「いえ、大丈夫です!」 「やせ我慢しないでってほら!」 「いえ!本当に!無理してませんので!」 お人好しと頑固が合わさった、俺が俺がの堂々巡り。 結局一花が不快そうにうなされているので真司が諦めて炭治郎に託すことにした。 確かに炭治郎は疲れている。 体には戦いの熱がまだ残ってる。 息は荒く、呼吸は乱れてる。 斬られ、裂かれた全身の痛みは引いていない。出血が止まってない箇所もある。 それでも今、ここで立ち止まる訳にはいかなかった。 一花を安全な場所まで運び、手当てをしなければならない。 五月を殺し、これからも人を殺し続ける千翼を止めなければならない。 遠く、険しい道程に足が重くなる。挫けるわけにはいかない。 「――――――ッ」 ひゅう、と身を抜けた風に目をしかめる。 傷に触れたからじゃない。 風に乗って流れ匂いを、鼻が感じ取ってしまった。 この匂いを炭治郎は知っている。何度も感じ、慣れる事のない匂いは。 「蓮のやつ、ちゃんと逃げ切れたかな」 「蓮、さんは……」 「ん?」 何気ない真司の言葉が炭治郎に突き刺さる。 伝えなくてはいけない。 教えなくてはいけない。 隠しいていも意味はないし、壊滅的に炭治郎は嘘が下手だ。 それになにより。蓮の友人である真司に嘘をつくことは出来ない。 「さっき……匂いがしました。蓮さんの匂い。致命的な量の、血の匂いが」 「…………そっか」 溢れる声は、静かで素っ気ない。 炭治郎は何も言わない。 感じているからだ。言葉に出ずとも、言葉にならない、悲しみの匂いを。 「俺に死ぬなって言ったくせに……。 俺だって、お前に生きろって言ったのにさ……」 顔を上げて空を睨む真司。 拳を固く握りしめる後ろ姿に、炭治郎の心は曇りに囚われた。 どうしようもない無力感に歯を軋らせる。 折れるな、挫けるなと自分を叱咤する。 「おい!さっき空を飛んできたのってアンタ達か!」 そこに飛び込んできた、第三者の声。 三玖を立香に任せ、玄関前に立って外を見張っていたミクニだ。 空を一直線に横切る黒い影―――真司を抱えたダークウイングを追ってここまで追ってきたのだ。 無警戒に近づいてくる、加えて敵意の匂いのしないミクニに警戒を解き、炭治郎は受け答えた。 「はい。飛んできたのは俺達です。正確には大きな蝙蝠に掴まれてですけど……あれ、そういやどこ行った?」 「そうか。ん?その子……え!?三玖さん!?」 「え?」 炭治郎が抱える一花を見て、ミクニは素っ頓狂な声を上げた。 それもそのはず。卒倒し立香が看ているはずの女の子と瓜二つの顔が、初対面の少年に抱えられていたのだから。 「この匂い……一花さんの姉妹と会ってるんですね!」 炭治郎はミクニの傍から彼以外の、一花と似た匂いから直感的に解答にたどり着いた。 それも比較的濃い。今までずっと行動していた証だ。 匂いの元にある、ミクニが来た方に視線を向ける。 そこにいたのは少女―――ではなく。 眼鏡をかけた少年が、余裕を持った風に歩いてきた。 「やあ、初めまして。まずは落ち着いて話を聞いて欲しい。先に自己紹介していいかな。俺は猛田トシオという。 ああ安心して欲しい。俺は君達に危害を加えるつもりなんてないよ。もしそのつもりなら何も言わず後ろから不意打ちをした方が遥かに効率的だからね。 そして俺が君達を危険人物だと思わなかったのにも根拠がある。気絶した女の子なんて殺し合いではお荷物にしかならない。まして傷だらけの状態でも抱えて行動してるって事は、ある程度君達には信頼関係が成立してると判断したんだ」 (うわあ。凄いなこの人、嘘を言う匂いにまみれてる。初対面で申し訳ないけど) 炭治郎でなくても胡散臭く感じる事請け合いの印象だ。 余裕を見せているのも虚勢で、ここまで見え透いていると逆に安心さえもする。 危害を加える意思は感じないし、いま来た少年と一緒に来たなら大丈夫だろう。 炭治郎はひとりそう納得した。 「俺は竈門炭治郎です」 「おう、俺は若殿ミクニだ」 「俺は城戸真司。よろしく、ミクニくん」 ベラベラとまくし立てる猛田を尻目に、残り三人は早々に名乗り合って友好を結んでいた。 全員が言葉の駆け引きより真っ直ぐな付き合いをする性格なのが幸いしたといえるだろう。 ひとり場違いに取り残される格好になった猛田だが、友好的なら越したことはないと切り替える事にした。 ミクニがひとり突っ走って、自分の所業を知る女二人の場所に留まってるのが居心地が悪かったわけでは、ない。 「三玖って、一花ちゃんの妹が君達と一緒にいるの?」 「ああ、三玖さんは今あっちの―――」 「馬鹿がミクニ!あそこには……!」 猛田の叱責にミクニも意味を察し、バツの悪い顔で止まってしまう。 しかし最早それは悪運を招き寄せる逆効果にしかならない。 「三玖ちゃんに……なにか、あったのか?」 五月を守れずに失ったばかりの真司にとって、それは禁忌の問いかけだった。 いま一花が気絶していたのは、ある意味幸運なのか。それとも。 「……確かに三玖さんは俺達が保護してます。話も聞きたいし、戻って合流すべきだと思う」 ここまで来たからには引き返せない。 観念したミクニは包み隠さず話す決意を固めた。 「けど……脅すわけじゃないが、覚悟はしておいたほうがいいです。 特に、一花さんには」 待ち受ける未来を想像して、苦悩に顔を歪ませながら伝えた。 【三】 見覚えのない天井が、瞼を開けた目に入った。 「あ、起きた三玖?」 隣からは椅子に座って様子を見ている立香。 上半身を起こして、周りを見渡す。 記憶にない家具と模様。 どうやら、私はベッドで眠っていたらしい。 「あれ……私……」 頭がうまく働かない。 脈絡の無さについていけない。 もしかしたら今まで質の悪い夢でも見ていたのかと想像するけど、そうすると立香がいるのも、私がここにいるのも説明がつかない。 だから、これは単にあれから気絶しただけだと容易に理解して――― 「――――――っ」 どこからかの視線に、身を震わす。 寒気。怖気。 思い出したくもないのに、刻まれた光景は傷になって脳裏から離れてくれない。 そしてずっと見ている。 今も生きてる私を逃さないと、死んだ目で恨めしそうに睨めつけてるのだ……。 「辛いなら、まだ寝ててもいいよ」 「……平気。むしろもう寝れない」 体は怠さは抜けずに休息を求めてるが、寝ていたくないのは本当だった。 今眠ってしまえば、夢の中でも追い詰められそうな気がしたから。 「私、どれくらい寝てた?」 「そんなに長くないよ。もう少しで夜明けってぐらいかな」 カーテンで遮られてる窓からは、僅かに電気の落ちた部屋よりも明るさが漏れている。 あと数時間もあれば日も昇り、外の光も強くなるのだろう。 不意に、放送、という単語が頭によぎる。 あと数時間。それぐらいの時に流れると彼女は言っていた。 色々な情報の他に、死した人の名も挙げられると。 「……ごめんなさい」 「え?」 漏れた謝罪は、何に対してのものなのか。 誰に向けてのものだったのか。 「三玖が謝ることじゃないよ。あなたは何も―――」 「何もしてない」 立香より先に、立香が言おうとした意味とは別の意味で口にした。 「私が何もしてないから、四葉が死んじゃった。 何もできなかった。何も、してあげられなかった」 投げやりだが、本当には違いない。 こんな空間に連れてこられて、今まで何をしてきただろうか。 手を伸ばされて、気を配られて、歩いていただけだ。それだけでも疲れる始末。 私が何もしてない間に、四葉は死んでいた。 想像もつかない残酷なやり口で、あんまりにも酷すぎるカタチにされて。 始めから助ける力なんて持ってないし、探す当てなんかも見つけられない。 役に立つというなら姉妹で一番動けて、誰かの手助けをしてる四葉の方がずっとで、なのにひとりぼっちで幕を閉じていた。 どうして。 私は守られて、四葉は守られなかった。 何故差が生まれたのか。そこにどんな違いがあるのか。 あの子に死ななくてはならない理由があったというのか。 そんな理不尽が許せなくて、この感情をぶつけるべき相手もいない。 矛先を失った拳は自分自身に向かい、ひたすら虐める他なかった。 「違うよ」 深く沈み込む心を、短い一言が掬い上げる。 「それは違う。あの子が、四葉が死んだのが三玖の責任だなんて絶対にない。 私は四葉の事は殆ど知らないけど、それだけは言い切れる」 「そんなの……」 強いあなたにはわからない――― 最低な言葉を吐こうとしたのを、すんでのところで飲み込んだ。 自己嫌悪で埋まりたくなる。自分を守ってくれてる人に対して何様のつもりなのか。 けど実際言葉にしてみても、立香は優しく受け止めてくれるんだろう。 彼女は優しくて、私のような人にも嫌な顔ひとつせず真摯に向き合ってくれる。 とても嬉しいのに。救われてるのに。感謝してるのに。 向けられた優しさの分だけ、自分への嫌悪が積もっていくんだ。 「―――うん、でもちょっとだけ三玖がダメなところもあるかな」 だから、立香からそんな指摘をされたのは本当に意外だった。 「何……が?」 「自分が四葉に何もしてあげられないってとこ」 何を? わからなかった。 どういう意味なのかわからなかった。 死んでしまった人に、もういない四葉に、私がなにをしてあげられるのか。 四葉に対して、私は何を残しているのか。 「だって三玖――――――泣いてないよ」 「――――――――――――」 答え合わせの言葉に、その時私は言葉を失った。 意外でもなんでもない当たり前を突きつけられたのに、体の芯が痺れるような衝撃が走っていた。 「いなくなってしまった人を思うのは、生きてる人にしかできないんだよ」 立香の目は、もう届かない、あり得ないほど遠い場所を見つめているようだった。 そのまま見ている場所に飛んで消えてしまいそうな、儚くて、弱々しい笑顔。 それだけで分かってしまった。 強い人。どんな困難にも立ち上がり、前を向く人。 折れることなんて知らない印象ばかりだった立香が、そうなってしまうまでに見てきた、取り戻しのつかない離別を。 「死んだ人の気持ちなんか普通はわからないし。 勝手に私がそう思ってるだけかもしれなくても。 痛いからって、その人との記憶を忘れてしまうのは悲しい事だって、私はもう知ってるから」 「悲しい――――――記憶――――――――?」 大切な人との別れ。 昨日までいた人が、もう世界のどこにもいなくなる。 その悲しみは、知っている。 平凡な人生で誰もが一度は出遭うそれを、私達姉妹は少しだけ早く経験した。 悲しみは癒えたけれど、何もかも忘れたわけじゃない。 仄暗い脳裏に潜む闇を幻視する。 私の知る四葉は、私を恨んでるだろうか? 生きてる人を羨んで、呪いを残していくだろうか? そんなわけがない。 それだけは必死に否定する。 ずっと一緒に育ってきた姉妹だ。考えなくたってわかる。 皆が皆、大好きに決まってる。 そう思ってるし、思われてた。 自惚れでなく、確信できる繋がりがあった。 「私は――――――そっか、私は…………」 四葉の死を思う。 胸を掻き毟る痛みは、あの時と同じだ。 家族を失った痛み。 大好きな人と永遠に会えなくなる悲しみ。 その感情を、私は、皆は、どうやって溢れさせていただろうか。 「……さっきミクニ君達が戻ってきてね、一花を見つけたんだって」 こちらが少し落ち着いたのを見計らって、立香はそう切り出してきた。 「一花が……?」 「ちょっと怪我してて、今は別の部屋で休んでる。 治療はしたしすぐに起きると思う」 探し求めていた家族との再会。 本当なら喜ぶべきだけど―――ここで会う意味がわからないほど馬鹿じゃない。 一花とは、あれ以来ギクシャクした関係のままだ。 同じ男の人を好きになった同士での、公平な競い合い。 修学旅行での恋愛戦は、すれ違いの連続で姉妹の絆が引き裂かれる事態にまで発展してしまった。 なにを言うのにも気まずくて、顔も合わせるのも忌避していたかもしれない。……さっきまでなら。 「隠せるものじゃないから、四葉の事は話すつもり。 キツいと思うけど私の方からなんとか―――」 「立香、お願いがあるの」 半身をベッドから起こす。 頭は正直ふわふわで、心の中はごちゃごちゃになっている。 そんなだから逆に、いつものウジウジした気分は霞んで、やりたいことだけがやけにハッキリ頭に残っていた。 「少し、他の人を家から出して」 Next 割れた星のTRIANGLE(後編) Previous なんやかんやで第一印象は結構大事 前話 お名前 次話 CLOVER FIELD 藤丸立香 割れた星のTRIANGLE(後編) 中野三玖 若殿ミクニ 猛田トシオ 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このページはこちらに移転しました 空をノックしたら割れたワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 作詞/ぎる亀 とんとん パリーンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww (皆笑う) (限りなく笑う) ・・・ そろそろ寒いしおでん食べに行こうぜー